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芸術学科 Department of Art Studies

芸術を愛し、その素晴らしさを伝える人材を育成します

“芸術”や“アート”に関する知識、理論、歴史について学び、芸術の伝統と変革という視点を研ぎすましながら、芸術にまつわるコミュニケーションの在り方なども幅広く探求します。私たちは、“芸術”に対する興味を大切に育て、確信を持って学ぼうとする意欲には高度な専門知識で応えます。“芸術”や“アート”のことが頭から離れない学生を期待します。

芸術学科の特色

1年次にあらゆる芸術分野の領域を学習、2年次より専門領域へ

Program Structure(領域・流れ)

1年次はあらゆる専門領域から芸術を広く理解し、自分の関心や方向性を探ります。2 年次には6つのコースから専門領域を選択し、本格的な探究がスタート。卒業論文が必修となる専門5コースでは、3年次からより密接に綿密な指導を開始。総合芸術学コースでは、科目群の中から各自の関心に沿って横断的な学びを展開します。

主な卒業論文タイトル(例)

  • 川島雄三監督『しとやかな獣 』における空間演出と視線の運動
  • 「刑事コロンボ」における人種表象の変遷
  • 《鳥獣人物戯画》の主題について ー動物という共通点からー
  • エリック・サティと《家具の音楽》が与えた影響について
  • ボサノヴァの研究 ー背景と音楽的特徴の考察ー
  • オーディション番組から見る日韓アイドル文化の違いー日本で拡張するK-POPー
  • ミュージカル『マリー・アントワネッ ト 』から読み解く衣裳の視覚伝達性
  • ギリシャ悲劇からみる「埋葬」と「死生観」

※ヘボン・キャリアデザイン・プログラムについてはこちらをご覧ください。

科目紹介

映画史通説(1年)

映画は比較的歴史の浅い芸術ジャンルと言えますが、その世界は多様です。19世紀末の創成期の無声映画時代からトーキーまで、表現形式、技術面でなされた試みをたどることで、映画の理解を深めます。

音楽学基礎演習(2年)

音楽学の基本を学びます。各自、与えられた課題に取り組み、実際に自分で研究を行うための様々な方法を学んでいきます。口頭発表、プレゼンテーションのスキルも身につけ、音楽学/芸術学の基礎を習得します。

学科主任が考える 芸術学科とSDGs

芸術の歴史とSDGsには多くの共通点がある。

貧困や環境問題、ジェンダー平等など、2030年までに達成すべき目標を掲げているSDGsは、一見「芸術」とは直接的な関係がなさそうに思われるかも知れませんが、実は多くの共通点を持っています。美術や音楽、演劇や映画は、人間の社会や文化、生活と密接に関わってきました。圧政やそれにともなう貧困や戦争はもちろん、自然災害や疫病、そして社会の中の差別や偏見、不平等に対し、長きにわたって人々は闘ってきました。その変革や救済に芸術は大きな影響を与えています。芸術学科では芸術の歴史と理論を扱います。それはすでにSDGsが掲げている目標と重なる部分が多いのです。

芸術学科主任 門間 貴志 教授

私の学び

宮澤 知紘 Miyazawa Chihiro 文学部 芸術学科3年
長野県 長野吉田高等学校出身

学びを活かし映画の普及に携わりたい

映画に携わる仕事に就きたいと考えていた私は、将来の仕事に役立つテーマに取り組めると考えてこの学科を選びました。所属する「映像芸術学コース」では映像全般、とりわけ映画の分析や理論などを学んでいます。ストーリー構成、カメラワーク、演出などについて一つひとつの場面を切り抜き、分析、研究することが具体的な学問の内容で、個人的には映画史に重きを置いて研究しています。世界と日本それぞれの映画史、映写機などの技術史、また映画館と観客を取り巻く文化史などさまざまな視座から映画史は構成されており、映画を分析する上で重要な一助となります。将来は芸術学科での学びを活かし、大好きな映画に携わることのできる仕事、特に映画の配給関係に就きたいと考えています。

ゼミピックアップ

「メディア」の視座から芸術・文化・社会を問い直す

芸術メディア論コース 長谷川 一 教授

芸術メディア論コースでは、特定のジャンルや既存の枠組みにとらわれることなく、「メディア」という視座から領域横断的に物事を捉えなおすことを学びます。4年次の卒業論文では、学生みずからの関心から自由な発想でテーマを選びます。今年も、ネット動画やゲーム、BL、オタ活、韓国アイドルから、タイムトラベルやバックパッカー、地下鉄のサインシステムにいたるまで、多種多様。個人の「好き」をいかに普遍的な問いへと開くことがで きるか。学生たちの挑戦をサポートしています。

一人ひとりが発見した美術の魅力を、 美術史学の方法論に基づいて分析し、自らの視点と言葉で語る

青野 純子 教授

卒業論文のテーマを絞り、構成を考え執筆するために、学生は各自が選んだ卒論テーマで口頭発表を行います。例えばフェルメールやゴッホの絵画作品に関心がある学生は、日本語・外国語の文献を積極的に読み、同時代の美術の傾向や歴史的背景に理解を深め、授業での発表や議論を通して作品をより具体的に分析し、美術史学のアプローチで考察することを学びます。なるほど! と、ゼミ仲間と教員を納得させられる、自分なりの美術の見方を追究します。

芸術学科オリジナルサイト

入学試験制度一覧

入学案内 (入試情報)

人材養成上の目的・教育目標

文学部芸術学科は、文学部の「人材養成上の目的・教育目標」に基づき、芸術学科の「人材養成上の目的・教育目標」を次のとおり定める。

芸術学科は音楽学コース、映像芸術学コース、美術史学コース、芸術メディア論コース、演劇身体表現コース、総合芸術学コースの六つのコースで構成されている。いずれのコースにおいても、いわゆる実技者養成を目的とはせず、芸術に関する理論、歴史、それにまつわるコミュニケーションのあり方などを幅広く、かつ深く学ぶ環境を整える。学生それぞれの芸術に対する興味の芽生えを大切に育て、人間・文化・社会に対する知的好奇心と批評的視野を養う教育を通して、芸術・表現活動に対する観察力、自らと他者の関わりへの洞察力、社会における問題を発見し深く考察する思考力、それを様々な表現媒体によって伝達する表現力、柔軟かつ斬新な発想をもって現実に向き合う実践力などを培い、さまざまな時代、状況における人間の創造行為や表現活動の諸相を理解して、新たな文化を構想する分析力や創造力をもった人材を養成することを目標とする。

卒業の認定・学位授与に関する方針(ディプロマ・ポリシー)

文学部芸術学科は、文学部の「卒業の認定・学位授与に関する方針」に基づき、芸術学科の「人材養成上の目的・教育目標」に沿った人間を育成するため、所定の期間在学するとともに124単位を修得し、次の能力を身につけることを卒業認定と学位授与の要件とする。 具体的な到達目標は、次のとおりである。

  1. 人類の芸術・表現活動の歴史および、文化・社会との関わりに関する基礎的な教養を身につけている。
  2. 芸術に関する総合的な知識を獲得した上で、自らが専攻する個別専門領域における体系的な知識、あるいは領域横断的な知識を有している。
  3. 芸術についての学びを通し、既存概念にとらわれない幅広い知的好奇心や、様々な対象を自ら見て、聴いて、感じ、考え、理解する柔軟な感性を養い、専攻領域におけるあらたな問題提起と、その解決を提案する分析力および構想力、またそれを効果的に伝達する表現能力を備えている。
  4. 芸術学科で学んだ知識を基に時代・環境を越えて他者の営みを理解し、様々な表現媒体を活用したコミュニケーション力を活かしてより良い社会の構築に結びつける志向をもっている。

教育課程の編成および実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)

文学部芸術学科は、文学部の「教育課程の編成および実施に関する方針」に基づき、芸術学科の定める「人材養成上の目的・教育目標」および「卒業の認定・学位授与に関する方針」に沿って、次のとおり「教育課程の編成および実施に関する方針」を定める。

芸術学科では、専攻領域における研究を目的とした専門教育と、芸術一般にわたる教養を身につけることを目的とした教養教育という2つの領域をカバーする授業を提供する。4年間のカリキュラムの流れは以下のように編成する。
学修成果については、授業への参画意欲を重視し、各段階および領域において必要な理論的・実践的な思考の深化や能力の蓄積を、レポート、試験、演習等を通して総合的に評価する。

  1. 1年次には、様々な芸術領域における専門科目の理解に必要な基本的な知識・技能を身につけるために、幅広く入門的な講義を設置する。学生各自が芸術全般に関する基礎力を獲得すると共に、自主的に専攻コースの選択ができるよう科目の配置・指導を行う。
  2. 2年次以降は、学生が自らの専攻コースを選択する。体系的な知識を教授する講義科目と同時並行的に、専門的な課題を扱う授業を多く開講し、演習や講読、少人数での文献講読やゼミナール形式の授業などを通して、具体的な課題を思考し、考えたことを表現・発表する機会を積極的に設ける。
  3. 3年次では、各専攻コースの専門的知識を深めることを目的とした「研究」「演習」科目を中心に授業を配置すると共に、さまざまなトピックを専門的に扱う「特講」や、社会における芸術・文化・表現活動に広く触れる機会を設け、芸術を通して自らを他へと開いてゆく経験を与える。
  4. 専門5コース(音楽学・映像芸術学・美術史学・芸術メディア論・演劇身体表現)の場合、4年次で卒業論文が必須となる。ゼミおよび卒論制作においては、学生たちが独自の視点から問題を提起し、またそれを的確に表現する力を養うために、指導教員は密接なコミュニケーションをもって卒業指導を行う。一方、総合芸術学コースでは卒業論文を課されないが、学生は各自の視点を持ち、教養分野における知識を幅広く充実させるために、総合芸術学コースおよび専門5コースから横断的に授業を履修し卒業要件を満たす。
  5. その他、所定単位を修得することによって多文化共生ファシリテーター/サポーターの認証資格取得も可能である。

入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)

文学部芸術学科は、文学部の「入学者の受入れに関する方針」に基づき、芸術学科の定める「人材養成上の目的・教育目標」に照らして、芸術学科の「卒業の認定・学位授与に関する方針」および「教育課程の編成および実施に関する方針」に沿って、次のとおり「入学者の受入れに関する方針」を定める。

  1. 求める人材像
    1. 芸術学科の学びに取り組む上で、知識・技能、思考力・判断力および文章読解力・表現力等において、高等学校等で修得すべき基礎的な能力を身につけている。
    2. 芸術・文化への強い関心をもち、それらを理解したいという意欲や、新たな文化やより豊かな社会の可能性を切り開こうとする意欲をもっている。
    3. 本学の教育理念である“Do for Others(他者への貢献)”を理解・共感し、現代社会に生起する様々な問題に関心をもち、芸術学科における主体的な学びを通して共生社会の担い手となる意欲をもっている。
  2. 入学者選抜の基本方針
    上記「求める人材像」に掲げる基礎的な能力、志および意欲をもっているか否かを評価する。
  3. 入学者選抜の種類と評価方法
    入学者選抜にあたっては、「一般入学試験」または「特別入学試験」を行い、「入学者選抜の基本方針」に則って評価する。入学者選抜の種類として、一般入学試験による「全学部日程」、「A日程」のほか、大学入学共通テストを用いた「大学入学共通テスト利用入学試験」がある。そのほか「自己推薦AO入学試験」、「指定校推薦入学試験」、「系列校特別推薦入学試験」などの特別入学試験がある。  評価方法も試験の種類によって、筆記試験のほか小論文により論述表現力を重視するものや面接により知的好奇心や学習意欲をみるものなどがあり、これらの試験を通じて本学科で学び、社会で活躍する人材を選抜する。とくに表現力・コミュニケーション力などを重視する。

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