芸術学科の特色
1年次にあらゆる芸術分野の領域を学習、2年次より専門領域へ

領域・流れ
1年次はあらゆる専門領域から芸術を広く理解し、自分の関心や方向性を探ります。2年次には6つのコースから専門領域を選択し、本格的な探究がスタート。卒業論文が必修となる専門5コースでは、3年次からより密接に綿密な指導を開始。総合芸術学コースでは、科目群の中から各自の関心に沿って横断的な学びを展開します。

卒業論文(ゼミナール)のテーマ例
- ドラァグクイーンの美しさ~装いの美と精神の美~
- 『ウエスト・サイド・ストーリー』におけるダンスシーンの効果
- ジブリ作品の食事シーンが注目されるわけ
- なぜ東京ディズニーランドでディズニーグッズを身につけるのか
- カラヴァッジョの斬首の表現について
- 鏑木清方が描く芝居絵
- デイヴィッド・リンチの映像表現における美術の影響
- トーキーがアメリカ社会にもたらしたもの
- 宮城道雄《春の海》における「西洋らしさ」とは何か
- 東アジアはなぜ音楽文化の中心地にならなかったのか
※ヘボン・キャリアデザイン・プログラムについてはこちらをご覧ください。
科目紹介
映画史通説(1年)
映画は比較的歴史の浅い芸術ジャンルと言えますが、その世界は多様です。19世紀末の創成期の無声映画時代からトーキーまで、表現形式、技術面でなされた試みをたどることで、映画の理解を深めます。
音楽学基礎演習(2年)
音楽学の基本を学びます。各自、与えられた課題に取り組み、実際に自分で研究を行うためのさまざまな方法を学んでいきます。口頭発表、プレゼンテーションのスキルも身に付け、音楽学/芸術学の基礎を習得します。

学科主任が考える 芸術学科とSDGs
芸術とSDGs
芸術はとかく苦しい個人作業に思われるかもしれませんが、作品が作品となるまでには多くの人が関わっています。最終的には食べる人がいて初めて料理が完成するように、読者や視聴者、観客という受け取り手がいて初めて芸術作品となるのです。2030年を目標に掲げているSDGsと芸術は、一見すると直接的な関わり合いがないように見えますが、実は大いに関係があるのです。前述したように芸術は多くの人、そして社会と密接な関わり合いの中で誕生し、育まれていくものです。目指す地点は見えていても到達の仕方がなかなか見つからないSDGs。何だか芸術に似ていませんか? 本学科では芸術もSDGsもとことん考え、話し合って意識から変革していきます。
芸術学科主任 穴澤 万里子 教授
Student's Voice
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兵庫県 加古川西高等学校 出身 -
広く芸術を見る目を養い、将来は学芸員に
大学での学びを活かした仕事に就きたいと考え、学芸員の資格を取得できる芸術学科に決めました。1年次から西洋美術史を学ぶなかで、最も印象に残っている授業は「美術史の理論と方法」です。西洋美術史研究の足跡をたどっていくと、「これまでの研究が西洋中心的だったのではないか」という批判的視点があることを知り、驚きました。現在は、授業で出会い感銘を受けたフランスの19世紀の画家「オディロン・ルドンの装飾芸術」をテーマに卒業論文の執筆を進めています。卒業後は大学院に進学して学びを深め、将来は学芸員になることが目標です。資格を取るために履修する学芸員科目では、学芸員の方が授業を行ってくださるので、実際の業務への理解も深まり参考になっています。
Pick up ゼミ
論文も作品。言葉や体の表現から、人や生命について考える
演劇身体表現コース 富田 大介 教授

人間はホモ・ファーベルといわれるように、作ることを好む生き物です。なので、芸術や芸能は人が生きることとつながっています。演劇身体表現コースでは、劇場や舞台のことはもちろん、日常生活での演技や振る舞いについても学びます。ゼミでは「人はなぜ踊るのか、なぜ物語るのだろう、劇的とはどういう事象なのだろうか、私の体はどこまでが自分のものか」といった問いに向き合うこともあります。学生の卒論のテーマは、芝居、ダンス、能、歌舞伎、ミュージカル、あるいは演説やケア、雰囲気にいたるまでさまざまです。自ら問いを立て、解決することの楽しさを経験してみてください。
音楽の魅力を伝えよう
音楽学コース 和田 ちはる 准教授

音楽学コースでは音楽が関わるあらゆるものごとが考察の対象です。各自が自分のテーマを選んで探究し、それが最終的に卒業論文として結実します。クラシック、ジャズ、J-pop、映画やゲームの音楽など関心の幅は広く、楽曲そのものに目を向けるほか、それが聴かれてきた歴史や、音楽が果たす役割に注目する人もいます。入学後に学ぶ西洋音楽の歴史や理論は、音楽について考え、またその考えを他人に伝えるための重要なツールです。それを使って音楽の魅力、すなわち自分の「好き」や「おもしろい」がどこからきているのか、その音楽がそう聞こえるのはなぜかといったことを、さまざまな角度から追究していきます。