目次案 2012.12.1版 <えみし>
『個人商店のエスノグラフィー―地域における家族ネットワークとはなにか―』
第1章 序論
1-1 この論文を書く理由
1-2 これまでに考えてきたこと
1-2-1 就職活動をして考えたこと
1-2-2 カフェチェーン店でのアルバイト
1-2-3 豆腐屋「みすず商店」の記憶
1-2-4 自分の家族について
1-3 先行研究の紹介
1-3-1 「地域密着型小売店の多重ネットワーク構造」とは
1-4 本論文について
1-4-1 なぜフィールドワークを行うのか
1-4-2 本論文の構成
1-5 フィールドワークの対象
第2章 家族経営の個人商店
2-1 家族経営について
2-1-1 近代における家族の役割
2-1-2 商人家族について
2-2 個人商店について
2-2-1 なりたち
2-2-2 地域とのかかわり
2-2-3 商店街の衰退と大規模チェーン店
第3章 おでん屋でのフィールドワーク
3-1
3-1-1 10月12日金曜日――「福島屋」初訪問
3-1-2 翌日、改めて訪問
3-1-3 10月19日金曜日――初出勤
3-1-4 10月21日日曜日――
3-1-5 10月25日木曜日――初めてのランチタイム
3-2
3-2-1 10月26日金曜日――常連さんからアイスの差し入れ
3-2-2 10月27日土曜日――お客さん同士の会話
3-2-3 10月29日月曜日――
3-2-4 11月4日日曜日――「今日は2人だけです。頑張ってください。」
3-3
3-3-1 11月5日月曜日――
3-3-2 11月8日木曜日――トマトのこだわり
3-3-3 11月9日金曜日――サービスセットの内容
3-3-4 11月11日日曜日――
3-4
3-4-1 11月12日月曜日――
3-4-2 11月15日木曜日――レジの記録紙の交換
3-4-3 11月16日金曜日――
3-4-4 11月17日土曜日――最後の出勤
第4章 考察
4-1 個人商店のネットワーク
4-1-1 いくつのネットワークがあると考えられるか
4-1-2 それらはどのようなネットワークか
4-1-3 それらはどう関係しているか
4-2 家族というネットワークはどう成り立っているのか
4-2-1 個人商店を媒介にした家族というネットワーク
4-2-2 どう成り立っているのか
第5章 まとめ
5-1 この論文でわかったこと
5-2 不足点と今後の展望
概要
この論文は、家族経営の個人商店でフィールドワークを行うことで、個人商店の内部でどのように人々が関係を作り、それらを保っているのかを探ることを目的とする。
私は、祖父母が豆腐屋を経営していたこともあり、幼いころから家族経営の個人商店に触れていた。そのためにこれまで私は、自分の家族など、自分が所属しているコミュニティ内部での関係というものは、当たり前にあるものだと思っていた。しかし、それらは当たり前にあるものではなく、日々のふるまいや会話から形作られていくものであり、コミュニティ外の人間にとっては居心地の悪さをもたらすものである。そこで実際に自分が個人商店というコミュニティに入り込むことで、そこでどのように関係が形作られているのか、また私自身がどのように関係を作ることができるのか、観察し、そこに在る人の存在について考察したい。