目次案 最終版 <ラッパー>
『B系ファッションと不良文化―日本におけるヒップホップ受容の一考察―』
第1章 序論
1-1 この論文を書く目的
1-2 なぜB系ファッションなのか
1-3 どのようなアプローチをとるのか
1-3-1 雑誌をどのように扱うか
1-3-2 『チャンプロード』をどのように扱うか
1-4 論文の構成
第2章:ヒップホップ文化とB系ファッションの広がり
2-1 アメリカのヒップホップ概略
2-1-1 ヒップホップ登場以前の社会背景
2-1-2 ヒップホップの登場(1970年代)
2-1-3 西海岸の台頭と世界各地への広がり(1980年代〜1990年代)
2-2 ヒップホップの広がり
2-2-1 映画『ワイルド・スタイル』
2-2-2 ヒップホップ・ファッション
2-2-2-1 ヒップホップ・ファッションの起源
2-2-2-2 開拓され始めるニッチ市場
2-2-2-3 メディアとの結びつき
2-2-2-3-1 「ヨー!MTVラップス」による広がり
2-2-2-3-2 ヒップホップ誌による広がり
2-2-2-3-3 ブランド化される大物アーティスト
2-3 日本でのヒップホップ文化の受容
2-3-1 ジャパニーズ・ヒップホップ概略
2-3-1-1 映画『ワイルド・スタイル』の上映とホコ天
2-3-1-2 ラップの導入
2-3-1-3 ダンス・ブーム
2-3-1-4 Jラップの台頭
2-3-2 日本のB系ファッションについて
2-3-2-1 ストリートファッションとして広がるB系ファッション
2-3-2-2 1990年代以降の雑誌に記載されたB系ファッション
2-3-2-2-1 『明星』
2-3-2-2-2 『WOOFIN’』
2-3-2-2-3 『DIME』
2-3-2-2-4 『ローライダーマガジン(日本版)』
2-3-2-2-5 『CUSTOM LOWRiDING』と『CLR』
2-3-2-2-6 『411』
2-3-2-2-7 『Ollie』
2-3-2-2-8 『Samurai Magazine』
2-3-2-2-9 『smart』
第3章 不良文化の変遷
3-1 モーターサイクルギャングの変遷
3-1-1 暴走族以前
3-1-2 カミナリ族時代
3-1-3 サーキット族時代
3-1-4 暴走族時代
3-2 不良少年の変遷
3-2-1 番長
3-2-2 ツッパリとヤンキー
3-2-3 ポストヤンキー
3-2-3-1 チーマー
3-2-3-2 カラーギャング
第4章:雑誌『チャンプロード』におけるB系ファッション
4-1 『チャンプロード』について
4-1-1 『チャンプロード』の概要と記事について
4-1-2 『チャンプロード』時代のヤンキーについて
4-1-3 広告について
4-1-4 紹介されているファッションについて
4-1-4-1 特攻服
4-1-4-2 変型学生服
4-1-4-3 ドカジャンとニッカ
4-1-4-4 ヤン服
4-2 『チャンプロード』で紹介されているB系ファッションについて
4-2-1 B系ファッションの通販広告
4-2-2 『チャンプロード』で紹介されているラッパーの記事について
4-2-3 その他のB系ファッションが掲載されている記事について
4-2-3-1 旧単車會の記事に見るB系ファッション
4-2-3-2 「一張羅自慢」に見るB系ファッション
第5章:終章
5-1 論文を通してわかったこと
5-2 反省点と今後の課題
概要
B系ファッションとは、大きめのシャツやパンツを着用するラッパーがしているようなファッションのことを指す。日本においては1990年代以降に、男性ファッション誌や音楽雑誌などで紹介されるようになった。しかし、B系ファッションは、変型学生服を扱う制服販売店や不良向けの雑誌においても扱われている。ヒップホップ文化の一つの要素であるB系ファッションは、日本における不良文化とどのように結びつくことになったのであろうか。
階級や人種によって文化が構築されやすい欧米社会に比べ、日本はメディアの受容によって文化が構築される傾向が強い。日本のメディアにおけるヒップホップ文化の言説を見ていくことで、日本にヒップホップ文化が受容される際に、どのような読み替えがなされているのかを明らかにする。本論文では、B系ファッションが記載されている不良向けの雑誌『チャンプロード』を対象として、日本におけるヒップホップ文化の受容のされ方について考察する。