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「有言実行」して見えた目標。

2023.07.05

「目標はチーム一丸となってリーグ戦で優勝し、1部リーグに昇格をすることです」 まっすぐな目でそう語ってくれたのは経済学部経営学科3年の小峰拓真さん。体育会ラクロス部男子でオフェンスリーダーを務めながら、ラクロス日本代表としても活躍しています。大学入学から有言実行を続ける小峰さんの原動力とは。

小峰 拓真 経済学部 経営学科 3年高校までは野球少年。入学後、体育会ラクロス部男子に入部。毎日自主練習を欠かさない。趣味は筋トレ。時間があれば筋トレをしている。

座右の銘

私には座右の銘があります。それは野球をやっていたときにバッグにつけていたキーホルダーに書いてあった「有言実行」という言葉です。昔は何となく球児っぽいし、響きがかっこいいから身につけていたキーホルダーです。でも今ではこのまっすぐな言葉を大切にして、常にラクロスと全力で向き合っています。やると決めたら最後までやり抜く。すごく単純で分かりやすいけど、継続することが難しいこの言葉を実現することが私のモチベーションになっています。

不完全燃焼だった野球生活

小さいころから野球をやっていて、高校3年生まで続けていました。それまでの野球生活を振り返ると「有言実行」とは程遠い、不真面目な野球生活だったなと思います。実力もそこまで上手いとは言えないのに、なかなか真剣に野球に向き合うことができず、自主練習とはほぼ無縁。高校で活躍している同学年の選手との実力差を感じてどこかあきらめていた自分がいたように思います。「小さいころからやっていたから何となく今も続けている」これが言い訳だったのかもしれません。あの頃は努力することが面倒くさい、ダサいなって思っていました。

今考えると本当にあの時期がもったいなかったなって。もっと熱くなれたし、努力してもっと充実した青春を送れていたかもと、たまに考えます。

新しいことに触れて得たもの

高校3年の野球部の夏。最後の大会が終わって何かしなきゃまずいなと思いながらも何もせずに過ごしていました。そんな時に高校のラグビー部の人数が足りなくて来て欲しいと友人から相談をされました。特にすることもなかったので、助っ人として6か月間ラグビーをやることになりました。初めは人数合わせだから適当に、と思っていましたが、全くやったことのないスポーツに触れてとても新鮮で、初心者だからこそ周りに少しでも追いつこうと、いつの間にか必死に練習をしました。ラグビーならではの激しさが特に必死にさせてくれたのかなと思います。

この時に、何かに夢中になって努力することの楽しさ、素晴らしさを実感できて、大学では何か新しいことにチャレンジしようと思いました。そこで大学ではこのままラグビー部に入って、挑戦してみようかなと考えていました。でも、大学からスタートして勝負ができるスポーツのほうが熱中できるかもと思っていた時に、野球部時代の先輩の勧誘でラクロス部の練習会に参加することになりました。

ラクロスはラケットを使うので、野球でバットを振っていた経験が生かせて自分に向いているスポーツだなと思いました。ですが1番の入部の決め手は練習会で監督から言われた言葉でした。「ラクロスは努力次第で全員が日本代表を目指せる」。この言葉を聞いてもの凄くワクワクして、僕がやりたいスポーツはこれだと思いました。大学では絶対に何かをやり抜きたいと考えていたので、やるからには大きい目標の日本代表を目指せるラクロス部に入部しようと決心しました。

コロナ禍でも信じ抜いた先に

「ラクロスで日本代表になるぞ!」と気合い十分で入部をしましたが、入部初めからコロナでなかなか試合などもできず、他大学の選手がどれくらい上手くて自分と差があるのか分からずモヤモヤする日が続きました。ですがその状況の中でもラクロスは大学から始める人が多く、スタートラインが同じなので練習した分だけうまくなれると信じました。またやみくもに練習量をこなすだけではなくてプレー映像を撮って分析することで、試合中に分析したプレーの映像が浮かんで、機転を利かせてプレーができるようになりました。自分がどれだけ上達したのか確認できる機会がなかなかない中で、練習のモチベーションを保てたのは、ラクロス部のメンバーがフランクでチームの雰囲気が良かったからだと思います。チームのメンバーにはいつも本当に感謝しています。

そんな時にすごく運がよかったなと思うのですが、2022年2月16日に参加した他大学との合同練習会で、コーチとして参加されていたU-21日本代表の監督などの皆さんと接点を持つ機会に恵まれました。私はとりあえず意識せず練習してきたことを実践しようとがむしゃらにプレーをしました。結果は納得いくプレーをすることができて、少し自分の自信につなげることができました。そんな練習会の帰り際に「今度U-21日本代表の練習会に参加してくれない?」と日本代表のコーチの方から連絡をいただきました。はじめは状況の理解に精一杯でしたが、目標である日本代表に近づくまたとないチャンス。二つ返事で参加することを伝えました。自分でも信じられませんでしたが、その時は日本代表に近づけたうれしさと緊張でいっぱいになっていました。

練習会には2022年2月19日から参加。他の選手たちは学年も上で、自分が参加していない選考会から一緒にプレーをしている方たちだったので相互の関係もできあがっており、私一人だけ浮いている、いわゆる「完全アウェイ」状態でした。さらに練習前にコーチから「今日の練習会で今後参加してもらうかどうか決めるから」と言われ、がちがちに緊張したのを覚えています。ですが入部当初から目標だった日本代表になることを有言実行するチャンスが目の前にある以上、絶対ものにしてやるというワクワクの気持ちの方が大きかったのも覚えています。練習が始まってからの記憶はあまりないのですがいつの間にか終わっていて、その練習終わりに「次回からも練習に参加してほしい」と伝えられました。入部当初の目標を実現できてとても嬉しかったのを覚えています。

軸足は明学

代表に選ばれてから海外遠征などさまざまな経験をしてきました。そこで得るものはとても大きく、自分自身の成長を感じています。ですが、あくまでもメインの目標は明治学院大学として勝利すること。代表がおこなっている練習やトレンドなどを部に持って帰ってきて還元しようと常に考えています。

今、ラクロス部では攻撃の作戦などを仕切るオフェンスリーダーを任せてもらっています。どんなに自分の調子が良かったとしてもチーム一丸にならないと絶対に試合に勝てないので、自分のプレーでチーム全体に勢いをつけてまとめられる選手になりたいと考えています。この考えになったきっかけがあります。それは去年の入れ替え戦での敗戦です。去年は1部リーグに所属しており、チームの雰囲気も絶対に降格することはないだろうと少し緩んでいる感じがありました。私自身も負けるとはおもっていませんでしたし、少し油断していた部分があったと思います。試合が始まると相手チームは昇格するためにがむしゃらに来ますし、明学の作戦などを細かく研究していて完全に相手チームのペースに持ち込まれてしまいました。そんな相手のペースに飲まれてしまって今までのチームプレーをすることができずに負けてしまいました。試合中の沈んだ雰囲気を払しょくするプレーが出来なかった自分をとても情けないと思いました。

この敗戦で、日本代表に選ばれたことがゴールではなく、その経験を生かして明治学院大学として試合に勝つことが1番の目標なのだと気づくことができました。

これからも、「有言実行」

今の1番の目標として必ずチームを1部昇格に導くことを有言実行したいと考えています。先輩たちがいる最後の年なので吸収できるところを吸収して最後は先輩たちと一緒に笑って昇格するのが今の目標です。

有言実行すること、何かに夢中になって真面目に取り組むことがこれだけ楽しいことで難しいことか教えてくれた大学ラクロスに感謝しながら、あと2年間全力で少しの悔いも残らないようにやり抜きます。「有言実行」はこれからも私を動かす言葉です。

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