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キャンパスから飛び出して、発見!かけがえない「人とのつながり」

2021.07.28

都会では人のつながりが希薄だと感じていた小野さん。社会学科で生涯学習の専門家である教授に出会い、生涯学習を推進するインターンシップ先でもたくさんの魅力的な人々から刺激を受けました。「人とのつながりこそ、自分を、そしてみんなを成長させてくれる!」 気づきから学びを深め、積極的に活動している小野さんを紹介します。

小野 多瑛 社会学部 社会学科 4年 坂口緑ゼミ(社会学部社会学科)所属。1年生で「未来茅ヶ崎政策コンテスト」に参加。現在、NPO法人シブヤ大学でインターンとして活動中。港区住民とゼミ生がともに学ぶ「まなマルシェ」では、企画立案・運営を経験。趣味は映画鑑賞や読書。恩田陸さんの作品を愛読し、ハリー・ポッターシリーズもお気に入り。明治学院大学管弦楽団でチェロを弾き、サックス演奏も得意。家ではお菓子作りを楽しむ。

たくさんのことに興味がある。だから、社会学科を選んだ

政治や環境、文化、貧困問題など多くのことを、多角的な視点から学べる社会学に惹かれました。中でも明学に決めたのは、さまざまな研究分野の専門家の先生がいて、1年生では基礎を学び、2年生はコース選択、3年生でゼミ所属と徐々に専門性を高めていけるから。実際、段階的に学ぶことができました。

授業を受け、レポートや報告書の執筆を通して問題を深く追求し、自分の頭のなかの歯車を通して理解する。分析する力、論理的に組み立てていく構想力が身についたと考えています。

学外活動への最初の一歩! 茅ケ崎市で政策提案

1年生の秋、高校の先輩の誘いで「未来茅ヶ崎市2018政策コンテスト」に参加しました。その場で出会った他大学生とチームを組み、政策づくりに挑戦。キャッチコピー「輝くすべての世代の支えあい、湘南のベッドタウン」とともに提案したのは「多世代交流が可能な複合施設を作り、高齢者の雇用を提供し、カフェやイベントスペースで世代間交流を創出すること」。

財源をどう確保するか、多くの市民に納得してもらえるか、長期的な運用は可能か…。考えることは山積みで政策立案の難しさを実感すると同時に、身近に感じるきっかけにもなりました。この活動は、私が自分の意志で学外に踏み出した最初の一歩。時間がある学生のうちに、アンテナをあげて関心を持とう、キャンパスの外にも出ていこうという意識を強く持ちました。

人とのつながりに関心を持ったのは、授業そして住環境の変化から

2年生の「専門書講読」の担当だったのが坂口緑先生。エリアマネジメントや公共事業などについて、2~4年生の約20人で専門書を読んでいきます。先生からの問いについて学生が討論してまとめる授業が魅力的で、先生の専門分野である「生涯学習論」の授業も履修。生涯学習が市民参画のツールになり、街づくりの重要なポジションであることを感じ、その後、坂口先生の3年次ゼミに所属しました。

3年次ゼミではゼミ論文を仕上げます。私のテーマは「都市の居住空間の変化とそれに伴う近所付き合いの変化」。福島の実家を離れ、姉2人とマンションで暮らしていますが、住人は入れ替わりが多く、前の居住者のことも知らないのが当たり前。地元とは大違いですし、おそらく都会でも昔は違ったはずです。これはマンションでの他者との関わり方(ソフト)、住まいの造り(ハード)両方が関係していると考えました。執筆のために、戦後から現在までの間取りと人付き合いの変化を調べることはとても楽しく、人とのかかわり方について改めて考える機会になりました。

シブヤ大学との運命的な出会い。インターン開始

学外活動を続けようと探していた際、インターネットで見つけたのが、無料で学べるまちの学び場「シブヤ大学」。その頃、3年次ゼミの面接に臨んだのですが、その際、坂口先生が手渡してくれたのが、なんとシブヤ大学のインターン募集チラシ! 先生はシブヤ大学のサポーターでもあったのです。「これは行くしかない!」と思いました。インターン制度を先生の紹介で初めて知り、締切間際でしたが応募して合格。活動を始めました。

SNS発信、授業レポート記事執筆、公共施設への報告書作成、議事録作成、400人のボランティアスタッフへのメール配信、授業時の会場設営・受付・ファシリテーションなど、インターンの仕事は多岐にわたります。企画立案にかかわることも。コロナ禍でオンライン活動となった2020年4・5月には、インターン3人で、ボランティアスタッフの交流会と勉強会を企画しました。疎遠になっていたスタッフ同士の交流や、不慣れな人が多かったオンラインでの操作指導などとても好評で手応えを感じました。

衝撃! シブヤ大学で広がっていった自分の世界

シブヤ大学でのインターンでは、幅広い年代・背景の人との接点がたくさん生まれました。知的好奇心が旺盛で、社会人経験があり、自分をしっかり持っている。そして、アウトプットの意欲もあるユニークな人々が、一学生である自分にも意見を求めてくる。会話を通して自分の未熟さを感じると同時に、交流から世界が広がることを実感しました。出会いから新たな輪が生まれ、自分の世界がみるみるうちに広がっていくことは衝撃的で、みんながこんな出会いや経験をしていけたらいいなと思っています。

シブヤ大学でのコミュニケーションを通して、傾聴力や自らを周囲の人にアプローチする力、自分の意見を伝える力が身についたと感じています。現在もインターンとして仕事をこなしつつ、休日などは講座やワークショップの運営なども行っています。

港区事業で、ゼミ生として生涯教育を実践

3年生夏以降は、実習の一環として、ゼミで東京都港区生涯学習スポーツ振興課の事業「まなマルシェ」にも参加しています。「まなマルシェ」は、坂口先生の「地域住民と学生が交流しながら学ぶ場があると良いのでは」との港区への提案から事業化された生涯学習講座。3人のゼミ生とともに「オンラインで港区を旅しよう!」という企画を立案しました。

地域の方とも相談しつつ、画面共有して地図をたどりつつ、クイズに答えて写真で歴史や文化を学ぶイベントを実施。当日はゼミ生も含め約20人が参加し、地域の方々とともにみんなで白金キャンパスの地元、港区について学びを深めました。

音楽は学生生活の喜びそのもの。明学オケではチェロに夢中

キャンパスライフの楽しみのほとんど!と言ってもいいほど大好きなオーケストラ。中学、高校ではメロディを担当することが多いサックスを吹いていましたが、メロディを支えている中低音に魅力を感じ、大学でチェロを始めました。オケの楽器体験での先輩たちもとても優しくて。週4日のサークル活動で練習を続けており、6月末の演奏会ではベートーベンの交響曲第1番と第6番「田園」を弾きました。

目指すのは、人と人とのつながりが生まれる場所づくり

4年生では卒論に力を入れています。卒論のテーマは、住まいから視野を広げて、街、特に「人のつながる場としてのサードプレイス」。家でも学校や職場でもないサードプレイスの成り立ちに注目しています。例えば、銭湯は日本独自のサードプレイス。興味を持って調査・研究を進めています。

やはり関心があるのは人と人とのつながりです。人と関わると、自分では気づかなかった発見があります。その発見から新たな希望も出てきます。自分の人生をいきいきさせるために、地域でも他者と出会える場所を積極的に見つけてほしいと卒論で伝えたいです。

生涯学習を学ぶゼミに所属し、生涯学習を支援するNPO法人の活動で実感したのは、学び続ける大切さと新たな興味や関心が人生にもたらす豊かさ。「知りたい」人は自由に学べる、「やってみたい」気持ちが育める、目指しているのはそんなことが気軽に実現できる場所づくりです。教育、地域、産業、環境保全、まだまだたくさんのことに興味があります。自分も学びを深めつつ、社会に良い影響を与える人になりたいと思っています。

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