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リーダー経験から得た自信と手応え

2024.03.01

「1年生の時はボランティアセンターに入ったこともありませんでした。」と話す髙木優乃(3年生 社会学部社会学科)さん。2年生の時に授業で紹介されたボランティアに参加して、ボランティアをもっと体験したいと思い「1 Day for Others」に申込みました。ここでは、髙木さんが体験した1Day for Othersのプログラムの中で、初めてリーダーとして取り組んだ活動についてお聞きしました。

髙木 優乃 社会学部 社会学科 3年 趣味はサイクリングで、移動手段は自転車中心。休日はインターネットで美味しそうなお店を探して、自転車で行ってみることにハマっている。アルバイトは和食屋で「和」なものが好き。

髙木さんが参加した港区立エコプラザの「エコプラザ夏まつり」について教えてください。

「エコプラザ夏祭り」は、港区立エコプラザが毎年実施する環境学習イベントで、和紙を使ったお面作りや国産材を使った積木で遊べるコーナーなど、様々なアクティビティをとおして、子どもたちが楽しみながら環境について知ってもらうイベントです。

今回は「エコプラザ夏まつり」の明治学院大学ボランティアセンターがブース出展をし、その内容を企画するというものでした。体験してみていかがでしたか。

今まで参加した「1 Day for Others」は当日のみの1日完結型でしたが、今回は本番のイベントは1日だけれど、約3か月間の準備期間があって、とてもボリュームがあり、目標の本番に向けて一から準備を行いました。ブースの内容を学生メンバーの中で、時間をかけて検討し、企画書を作ってエコプラザの方にチェックをしていただく、そして企画に必要なものを手作りして、どうすれば子どもたちにわかりやすく説明できるか話し合う、等々…。1Dayのつもりだったけど、思っていたよりハードだね、とメンバーの中でも話していました。

具体的にどのような内容の企画を実施したのですか?

小学校低学年の子どもたちが主な対象となるお祭りだと伺って、一緒に工作しながら環境について知ってもらう企画を中心に考えました。牛乳パックを使った万華鏡づくりや段ボールを使った写真立てづくりなど様々なアイディアが出ましたが、私が幼少期に実体験して楽しかった小学校のお祭りの出し物をヒントに魚釣りの企画を実施することになりました。ダンボールと厚紙を使って自分だけのオリジナルの魚を工作してもらい、その魚を釣りながら、SDGsの目標 14「海の豊かさを守ろう」と関連付けた海の環境に関するクイズを出題する、というものです。最初は環境全般のクイズにしようかとも考えていたのですが、エコプラザの方にも「海のある港区でもあるし、魚の乱獲問題などで、将来的に魚が食べられなくなるかもしれないということを啓発し、子ども達に関心を持ってもらう良い機会になりそう」と助言に背中をおしていただき、最終的にこの案に決定しました。

リーダーとして苦労したことや工夫したことはありましたか?

私はもともと、リーダーシップを取ってチームを引っ張っていく性格ではなく、リーダーをする、という経験もなかったのですが、過去にエコプラザの別企画の1Day for Othersに参加していてエコプラザについて知っていたことや自分の考えた企画を実施することになったことなどから、自然とリーダーとしてこの企画を考えていく立場になりました。企画メンバーは初めて会う学生が多く、学年も所属する学科もバラバラ。通学する校舎が違って対面でのミーティングが出来なかったことが特に苦労しました。Zoomを使ってミーティングをしても、直接会ったことがないので、お互い遠慮して、意見を言い合えず…。

また、メンバー間の思い違いがあって、次のミーティングまでに個人で進めておく作業が伝わっていなかったこともありました。そこで短い時間でも対面のミーティングを持つことを提案して、直接話すことを大事にしました。するとメンバーの性格や個性が分かってきて、作業の進捗もスムーズになりました。はじめは、全員で同じことを同じだけ分担することを心掛けていたのですが、途中から役割分担を意識するようにしました。例えばAさんは、絵を描くことが得意なので、クイズ用紙のデザインや会場の装飾を担当してもらう、BさんはSDGsに関する知識が豊富なため、クイズを考える担当にする…など、直接話すことでメンバーの特性がみえてきたので、それぞれが得意なことで力を発揮することができるように心がけました。すると、コミュニケーションが活発になり、新たなアイディアなども出て、企画がブラッシュアップされる好循環が生まれました。

対面のミーティングがきっかけになった?

はい。特に学年差が気になってメンバー同士がお互いに気を遣っていたこともあったのですが、その遠慮が少なくなったように感じました。また、私は学科の専門である社会学の中でも対人関係に特に興味があるのですが、相手の顔を見て話すというコミュニケーションの重要性を改めて感じられたように思います。

大変な準備を経て、当日はどのような様子でしたか。

暑さからか、想定していたよりも来場した子どもたちの数は、少なかったものの、その分濃密に子どもたちと関われたと思います。子どもたちが一生懸命にオリジナルの魚を作る表情は真剣そのもので、魚釣りで魚が釣れた時やクイズに正解した時に、笑顔が溢れている姿をみることができ、嬉しかったです。参加した子どもたちからは「自分が作った魚を釣れて楽しかった」「海を汚さないようにしていきたいと思った」などの感想が寄せられ、楽しみながら環境問題や海について関心を持ってくれた様子でした。

この企画を通して新たな発見や学びはありましたか。

子どもたちに間違ったことを伝えられないと思い、私たちも海の環境問題についてよく勉強して当日に臨みました。私自身初めて知ることがありましたし、学び直しにもなったと思います。また、当日の午前中は、必死でクイズのワークショップを実施しましたが、午後は余裕が出来て子どもたちがどのようにすれば、話を聞いてくれるかというところを意識し、工夫しながら進行が出来たと思います。なにより、この企画を通して、リーダーを経験したことは、自分でもできる、という自信になりました。まだ、将来についての方向性は決まっていないのですが、ボランティアを通して、誰かの役に立てたり、笑顔をみることが嬉しかったので、今回の経験を糧に、人と関わりながら成長していければと思います。

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