明治学院大学
JPEN
2026.06.05

目の前の一本にすべてを懸け、自分を信じ抜く

在学生
経済学部

「目の前の一本にすべてを懸け、自分を信じ抜く。」――そう語る平瀨慶さん。弓道部の主将としてチームを率いながら、大学での学びを通して身につけたのは、考え抜く力と、人に頼りながらチームとして前に進む力でした。結果を求めて揺れた試合での悔しさを乗り越え、「自分を信じる」ことの本質にたどり着いたといいます。仲間と積み重ねてきた時間、そして「誰かのために」という思いは、どのように自身の成長へとつながっていったのか。弓道、留学、ゼミ――平瀨さんの学生生活の歩みをご紹介します。

平瀨 慶

経済学部 国際経営学科 4年

長野県出身。体育会弓道部で主将を務めており、第63回伊勢神宮奉納・東西学生弓道選抜対抗試合第71回男子の部において、最優秀選手賞と皆中賞を受賞。オフの日はカフェ巡りでリフレッシュし、食事やコーヒーを楽しみながら、カフェの雰囲気に癒やされている。最近のお気に入りは、レトロでクラシックな空間が魅力の「馬車道十番館」。

目次

バスケットボール、アルペンスキーから弓道へ

小学生の時は人前に出るのが苦手で、大人しい性格でした。転機となったのは、中学生のときに出会ったバスケットボール部のコーチの存在です。とても熱い方で、「殻を破り、自分を変えること」の大切さを繰り返し指導していただきました。失敗を恐れて小さくまとまるのではなく、自ら一歩踏み出す。その姿勢を学んだことで、次第に人前でも自分の意見を発信できるようになり、中学3年生のときには生徒会副会長を務めることができました。

一方で、冬はアルペンスキーの選手として活動し、最終的に全国大会出場という目標を達成しました。しかしその過程で、遠征や道具の買い替えなど、経済的な負担の大きさも実感。中学卒業を機に、「やりきった」という一つの区切りを感じ、高校ではまったく新しいことに挑戦したいと思うようになりました。そこで出会ったのが弓道です。両親が経験者だったこともあり、道場で初めて目にした矢を射る所作の美しさに惹かれ、「かっこいい」と感じたことを今でもよく覚えています。そこからの高校3年間は、弓道に打ち込む日々でした。

「留学×経営・経済」を軸に

大学の進学先を考える中で、明治学院大学を選んだ決め手は、経済学部国際経営学科のカリキュラム留学です。英語に強い自信があったわけではありませんが、「自分の目で世界を見てみたい」という思いがあり、留学がカリキュラムに組み込まれている大学を中心に検討していました。また、経営・経済にも興味があり、「留学×経営・経済」という軸で大学を探していたところ、明治学院大学の国際経営学科の学びが自分のやりたいことに最も合致していると感じ、進学を決めました。

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留学とゼミで培った、「人に頼る力」と「考え抜く力」

入学後、2年次で行く留学先として選んだのは、ベトナム・ハノイにある国民経済大学です。自己成長のため、あえて希望者が少ない環境に身を置きたいと考え、ベトナムを選択しました。現地では言葉が十分に通じない場面もありましたが、そのたびに現地の方々の優しさに助けられ、素直に人に頼ることの大切さを実感しました。また、海外を一人旅した経験や、現地の弓道団体との交流は、これまでの価値観や異文化との向き合い方を見つめ直す機会となり、自分とは異なる考え方を受け入れることの重要性を学べたと思います。

大学での学びの中で特に印象に残っているのは、ゼミでの研究です。現役の経営者でもある小滝秀明先生の言葉には強い説得力があり、実践的な視点からビジネス感覚を養うことができました。ゼミの研究発表では「輸入商社の設立プラン」をテーマに、軽量で防水性に優れた高機能ギブスの輸入事業をチームで提案。財務諸表やキャッシュフローまで踏み込んだ具体的な設計を行い、納得感のある発表に仕上げることができました。

これらの経験を通して培ったのは、論理的に考え抜く力と、人と協働しながら物事を前に進める力です。そして、チームで一つの成果をつくり上げた経験は、現在の部活動にも大きく生きており、自分の軸の一つになっています。

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学生主体の活動の中で見つけた、主将としてのあり方

明学の弓道部は、OB・OGの方にコーチとして月に1回程度、指導をいただきながら、日々の活動は学生主体で運営しているのが特徴です。現在、私は主将を務めていますが、一人で活動方針を決めることはありません。「自分たちで考え、行動できる環境」を大切にし、同期や後輩に意見を求めながら、フラットな立場で部の運営に取り組んでいます。部員それぞれが主体的に関われる環境をつくることで、「一人ひとりがチームを作り、より良くしていく」という意識を育んでほしいと考えています。

また、主将としては、言葉だけでなく自らの射(矢を射ること)で安心感を示すことも大切にしています。一本一本に向き合い、絶対的な射を誰よりも追求することで、部員を背中で引っ張っていける存在でありたいと思っています。

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「中てること」への執着を捨てる

弓道競技の中で最も印象に残っているのは、昨秋のリーグ最終戦です。昇格の可能性を残すためには勝利が絶対条件となる一戦で、チームで最終に矢を射る責任の重い「落」のポジションを任されていました。弓道の団体戦は各校8名が出場し、一人20本の射で合計的中数を競います。私は全射的中まであと2本という、極限に近い状況にありました。

しかし、試合の最終局面で「中てなければならない」という重圧の中、感覚に頼って矢を放ってしまい、結果、19本目を外し、チームも敗北。外した瞬間、頭が真っ白になりました。そのときに痛感したのは、「ゾーン」に頼ることの危うさです。どれほどプレッシャーがかかる場面でも、感覚だけに依存してはいけない――そう強く思い知らされました。

考え抜いた末にたどり着いたのは、これまで積み上げてきた技術を一つひとつ丁寧に再現し、自分を信じ抜く、ということでした。勝敗すら意識せず、ただ目の前の一本に全力で向き合う。この気づきが、その後の東西学生弓道選抜対抗試合での最優秀選手賞、そして皆中賞の獲得につながったと感じています。

弓道は、団体戦であっても一人で矢を射る競技です。そのため個人競技と思われがちですが、だからこそ部員同士の気持ちのつながりが、大きな支えになります。これからも全員で同じ方向を見据え、支え合いながら、大会入賞、そしてリーグ昇格を目指していきたいと思います。

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大学で培った人間力を生かして

卒業後は銀行への就職が内定しています。金融業界を志望したのは、人間力が問われる仕事だと感じたからです。弓道部での活動を通して、部員はもちろん、OB・OGや大学関係者との関わりの中で、人とのつながりこそが自分を支えてくれるものだと実感してきました。こうした大学での経験や学びを生かし、会社の看板に頼るのではなく、「あなたに任せたい」と言っていただけるような、人に寄り添い、信頼される銀行員になりたいと考えています。

受験生へのメッセージ

私の中にある軸は、「誰かのためにすることは、巡り巡って自分のためになる」という考え方です。後輩に教えることは自分の理解を深めることにつながり、仲間の成長は最終的に自分の喜びになる、と思っています。明治学院大学にはそのような土壌があります。私はこれまで弓道、ゼミ、留学と、さまざまな場面でかけがえのない時間を過ごすことができました。皆さんもぜひ、大学で自分なりの挑戦を見つけてください。

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