明治学院大学
JPEN
2026.10.21

「止めて蹴る」を仕事に生かす──明学で培った相手視点で、広告の最前線を走る

卒業生
キャリア
法学部

株式会社電通のラジオテレビ局で、テレビ局と企業をつなぐ仕事に携わる橋祐樹さん。テレビCMの広告枠を扱う部門で班長を務め、スピード感あふれる現場の最前線で活躍しています。その仕事の根底にあるのは、明学時代に体育会フットサル部で学んだ「相手視点」の大切さ。挫折、留学や日本一周の旅、そして就職活動での挑戦を通じて培われた考え方や仕事観について語っていただきました。

橋 祐樹

株式会社電通 ラジオテレビ局 スポット2部 アソシエイト・プロデューサー
(2022年 法学部 消費情報環境法学科卒)

2022年、株式会社電通に入社。ラジオテレビ局に所属し、テレビCMの広告枠を扱うスポット部門で日本テレビ系列の局を複数担当。現在10人のチームを束ねる班長を務める。在学中は体育会フットサル部に所属し、セカンドチーム(2部)の主将としてチーム改革に取り組んだ。

目次

体育会フットサル部との出合いが、大学生活の原点に

私立の中高一貫校で6年間、エスカレーター式の環境の中、気心の知れた友人たちと過ごしてきました。居心地は良かったのですが、大学の4年間は、あえて違う環境に飛び込んでみたいという気持ちがありました。加えて、体育会の部活に入りたいという思いも強くありました。一般入試でも受け入れてくれる体育会の部活は限られており、そうした環境を探していく中でたどり着いたのが、明治学院大学です。

小中高とサッカー一筋で過ごし、入学後は体育会フットサル部に入部しました。その選択が今の自分を形作る4年間につながったと思います。

フットサルはサッカーとは別物でした。コートが狭く、一つひとつのプレーで素早い状況判断が求められるため、プレーの過程も重視されます。自分では結果を残しているつもりでも、思うように試合に出ることができませんでした。今思えば、自分のプレーにばかり意識が向いていて、チーム全体を見ることができていなかったのかもしれません。「監督が本当に求めているものは何なのか」と一歩引いて考えられるようになったのは、この壁にぶつかってからでした。


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悔しさをバネに。仲間とともに取り組んだチーム改革

大学3年生の時、部内のカテゴリー入れ替えでトップチームへ昇格できました。ただ、実際にその練習に加わってみるとレベルの高さに全く歯が立たず、大会直前にメンバー外に。仲間の試合を外から見守る立場を経験しました。悔しさが先に立ち、当時は素直に応援できませんでした。

その後セカンドチーム(2部)の主将を任されましたが、就任直後はリーグ戦で4連敗という苦しいスタートで、チームの雰囲気も悪くなる一方でした。誰も敗因を分析しようとしない状況に焦りを感じていました。チームの外からは自分たちがどう見えているのかを知りたくて、対戦相手に意見を求めました。見えてきたのは、意識と組織、両方の課題でした。そこで、練習前の瞑想や紅白戦の導入、試合映像を使った振り返りなどに取り組みました。

普段は穏やかで周りに気を配る仲間たちでしたが、コートに立つと学年に関係なく自分の意見をぶつけ合えました。「それはおかしい」ときちんと伝え、終われば普段通り一緒に帰る。このオンとオフの切り替えの早さに、当時はいつも助けられていました。そうした学年を超えて意見を交わせるチーム文化が少しずつ根付き、1年後には初めてインカレに出場、全国3位という成績を残すことができました。

留学、日本一周。大学時代に広がった視野

法学部の消費情報環境法学科に所属し、ゼミでは伊室先生から民法などを教わりました。法律は難しく感じていましたが、伊室先生の授業は丁寧で分かりやすく、すっと頭に入ってきました。大学3、4年生の時期がちょうどコロナ禍と重なり、ゼミで顔を合わせられるのも週1回程度。先生や仲間と関係を深める機会が限られたことは、今でも少し心残りです。その分、部活とアルバイト、そして就職活動には人一倍のめり込みました。


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大学2年生の夏休みには、1カ月ほどアメリカに留学し、文化の違いを肌で感じる経験をしました。特に印象的だったのは、大統領選挙を現地で体感できたことです。政治への向き合い方が日本とは全く違って、まるでお祭りのような盛り上がりに驚きました。

フットサル部を引退した翌日には、友人と2人で車を借りて日本一周の旅にも出かけました。北海道から鹿児島まで1カ月かけて巡る旅で、週6日は車中泊という過酷さでしたが、その経験は今も鮮明に記憶に残っています。

海外留学や日本一周を通じて、それまで知らなかった価値観や生き方に触れることができました。大学時代にさまざまな人や文化と出会えたことは、今の自分の土台になっていると感じています。

本気でやりきった就職活動でつかんだ、新しい価値を生み出す仕事への道

広告の世界に興味を持ったきっかけは大きく2つあります。1つはラグビーワールドカップ日本大会です。テレビドラマとの連動企画などを通じて日本中がラグビー熱に包まれていく様子に、広告の力を感じました。もう1つは、映画『君の名は。』のテレビ放送での施策です。作品の世界観と連動した企業広告やSNS施策によって、ただの再放送が特別な体験へと変わっていく。その仕掛けの面白さに惹かれ、広告の世界を志すようになりました。


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就職活動の軸にしていたのは、目に見える形で世の中に携わり、人を巻き込みチームで大きなものを成し遂げる仕事でした。フットサルを通じて、1人で結果を出すよりも、多くの人と力を合わせて新しい価値を生み出すことにやりがいを感じるようになっていたからです。

だからこそ企業選びでも、仕事内容だけではなく「どんな人が働いているのか」を大切にしていました。OBOG訪問を重ねたのも、その会社で働く人の価値観や考え方に触れたかったからです。

就職活動は大学2年生の夏、サマーインターンへの応募から始まりましたが、選考はすべて不合格。そこで感じた悔しさをバネに、OBOG訪問を電通だけで15人以上、他社も含めると30人近く重ね、一文字一文字にこだわってエントリーシートを磨き上げました。その結果、本選考のエントリーシートは全社通過することができました。それでも、手応えを感じていたテレビ局の面接では不合格に。半年間積み重ねてきたことが間違っていたのではないかと、大きな不安に襲われました。就活も部活も決して順風満帆ではありませんでしたが、そのたびに自分を見つめ直し、次につなげてきた実感があります。


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「止めて蹴る」を仕事に生かす。人と人をつなぐ毎日

現在は電通のラジオテレビ局で、テレビCMの「スポット」と呼ばれる広告枠を扱う部門を担当しています。テレビ局が持つCM枠と、広告を出したい企業を結び付け、双方にとって最適な形で広告展開を実現するのが仕事です。近年、テレビ広告を取り巻く環境は変化しています。単なる仲介役にとどまらず、局の広告価値を高める施策や新たな番組企画を提案するなど、より主体的な役割が求められるようになっています。

日本テレビ系列の局を複数担当し、10人のチームを束ねる班長を務めています。大きな案件に携わる中で、責任の重さを実感する毎日です。1日に届くメールは約400通。とにかくスピードが求められる仕事で、自分の手元からいかに早くボールを離すかが勝負だと感じています。

自分が受け持つ局の売り上げをどう伸ばすか、その判断を班長として任せてもらえるのは大きなやりがいです。同時にスポット部門は「電通人としての基礎」が詰まった部署でもあり、スピードと丁寧さの両立を日々鍛えられています。クライアントの要望に向き合いながらも、必要な線引きをする判断力が求められ、まだまだ難しさを感じる場面も多くあります。


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仕事で大切にしているのは、サッカーの基本動作である「止めて蹴る」という感覚です。ボールを正確に止めてパスを出す。これはチームスポーツで培った所作です。相手がどうしたら受け取りやすいかを考えてから動くのは、明学の教育理念“Do for Others”に通じる視点だと思っています。忙しい日々でメールを機械的に右から左へ流したくなる時こそ、一度立ち止まって相手が何を求めているかを客観的に捉える。職場の先輩たちともよく話す仕事の心得で、学生時代に培った感覚が今の仕事にも生きています。

そうした経験を積み重ねながら、将来はより大きな舞台にも挑戦したいと思っています。目指すのは、ワールドカップやオリンピックのような世界的なスポーツイベントに携わり、多くの人の心を動かす仕事です。


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叱ってくれる人がいることのありがたみも、社会人になった今だからこそ分かります。叱るという行為は、相手もリスクを背負って向き合ってくれているということ。忙しい毎日の中でも本気で意見を伝えてくれる人は、とても貴重な存在です。学生のうちは煙たく感じることもあるかもしれませんが、そうした人ほど大切にしてほしいと思います。

振り返ると、大学時代だからこそできた経験が、今の自分を支えていると感じます。旅に出るのもいいし、年齢や立場の違う人と話す機会を増やすのもいい。僕自身、留学経験や日本一周、就活で重ねたOBOG訪問を通じて、多様な価値観や生き方に触れてきました。明学の後輩は僕にとって特別な存在なので、OBOG訪問も遠慮なく声をかけてください。大歓迎です。大学生のうちに1つでも多くの「知らない世界」に触れることが、きっと将来の自分を支える財産になるはずです。


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