社会福祉学科の特色
Point 01歴史と伝統のある福祉学科
社会福祉学科は「社会事業」を専門とする学科として日本で最も早い時期に創設され、約100年間にわたって福祉現場や行政に多くの実践者を輩出し、日本の社会福祉の発展に貢献してきました。多様な福祉現場で活躍する卒業生との連携・指導の下でインターンシップや実習教育を展開しています。
Point 022つのコースで学びとキャリアを導く
入学後に希望するコースを選ぶことができます。社会福祉士・精神保健福祉士の国家資格を取得し、専門職としてのソーシャルワーカーを目指す「ソーシャルワークコース」と、NPO・企業の社会貢献とウェルビーイング、国際援助、多文化共生を学べる「福祉開発コース」があります。後者では、特別支援学校・中学高校の教員免許も取得できます。

Point 03グローバル&ローカルな社会課題に向き合う
多文化共生と外国人支援、国際援助、ひきこもり・孤立・教育に関連する若者支援など、いま注目される新しい社会課題にアプローチし、当事者理解を進めながら支援のあり方を考えていきます。
Point 04豊富な実践科目
社会福祉学科は実践的な授業科目が最も多くある学科です。ソーシャルワーク実習、福祉開発フィールドワーク、フィールドスタディ(韓国)、社会福祉調査実習、学科独自のインターンシップ、教育実習があり、いずれの実習プログラムでも支援者や当事者と一緒に自立や支援の課題を考え、先駆的な取り組みをする活動家や組織を訪れ、そのスピリットを学びます。

領域・流れ
1年次は人と社会の関わり方・考え方の基礎を学びます。2年次から「ソーシャルワークコース」と「福祉開発コース」のいずれかを選択して学びのルートを定めます。その後、実習、フィールドワーク、海外フィールドスタディ等を通して、リアルな人と社会に接し、卒業後の進路も見据えて専門的な演習(ゼミ)を選択していきます。

卒業論文のテーマ例
- 虐待の影響とトラウマ経験へのケア
- 買い物難民への支援
- セルフネグレクトへの接近
- 外国ルーツの子どものキャリア形成
- 強度行動障害のある障害児支援
- 医療的ケア児の教育参加の課題
- 貧困状態にある精神障害者への支援
- カンボジアにおける女子教育開発の展望
- 障害者のキャリア形成とインクルーシブ雇用
- 家族再統合は子どもの最善の利益になるのか
科目紹介
インターンシップ
障害者雇用を進める企業や、社会問題の解決を目指すNPO等でインターンシップを行い、最後には研究報告を行います。共生社会に貢献できる実践力が磨かれます。

国際福祉論1・2
国際福祉論1ではヨーロッパ、国際福祉論2では開発途上国、日本の外国人に焦点を当て、社会福祉や多文化社会について学び、グローカルな知識と視野を身に付けます。
学科主任が考える 社会福祉学科とSDGs
「ヤングケアラー」と社会の持続可能性
ヤングケアラーという言葉が注目されています。親やきょうだいの世話をしたり、親の代わりに家事をしたりする子ども・若者という意味です。ヤングケアラーは発見されることなく子どもたちを家庭内に縛りつけます。それは虐待であり、児童労働であり、搾取です。ではなぜヤングケアラーという問題が起こっているのか。親のせいでしょうか。そうではなく、家族をケアするための社会サービスが足りないからだと思います。子育て・介護の役割は社会が担う必要があります。それを家庭内の子どもたちに押しつけてしまうことは、彼ら彼女らの未来を奪うだけでなく大きな社会的損失であり、かつ社会のサステナビリティを低下させます。ヤングケアラーは社会全体にとっての重大課題なのです。
社会福祉学科主任 金子 充 教授
Student's Voice
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東京都 玉川学園高等部 出身 -
当事者に寄り添える専門職になりたい
生活困窮者支援に興味を持ち、福祉を学びたいと考えて社会福祉学科に進学しました。福祉の実践や理論を幅広く学んだ上で専門分野を定められるカリキュラムに魅力を感じ、ソーシャルワークコースを選択。現在は、精神保健福祉分野における支援について学んでおり、多様な希望や価値観を尊重する姿勢が身に付いたと感じています。次に取り組むテーマは、在日外国人を対象とした福祉制度や公共サービスについてです。既存の制度に対する理解をさらに深めるとともに、外国から来た人々にどのようなサポートができるのか研究したいと考えています。卒業後は精神保健福祉士として、精神科病院で精神疾患のある人々の支援に携わる予定です。将来に向けて、病院と地域の福祉施設で実習を行い、支援技術や地域にある社会資源についても学びを深めています。
Pick up ゼミ
精神保健福祉援助演習
平澤 恵美 准教授
対話を通して学ぶメンタルヘルス

精神保健福祉について学ぶ演習クラスです。このクラスでは、対話を大切に授業をおこなっているので、ゼミの最初はその日の気分を発表する「気分チェック」から始まります。精神障がいのある人たちは、気持ちを言語化することが苦手な方が多いと言われています。したがって、将来支援をする側になる私たちが自分たちの想いを言語化できるようになることが大切だと考えています。具体的な演習の内容は、メンタルヘルスに関する時事的な話題を取り上げて発表したり、当事者研究を用いて、自分の生きづらさを分析したりしています。こうして色々な意見を交わしながら、コミュニケーションを増やしていくことで、楽しく実践的に学びを深めています。
フィールドスタディ(韓国)
金 圓景 准教授
少子化・格差社会が進展する韓国で、最先端の福祉の取り組みを学びます。

日本と同様に少子高齢化と格差社会が深刻化し、若者や高齢者の収入が減少している韓国。フィールドワークと当事者との交流・インタビューを通して若者支援や高齢者・障害者福祉の現状を理解します。ソウル市内のひきこもり支援団体では、生きづらさを抱える若者たちと共に料理を楽しみ、意見交換をします。さらに韓国の中央大学校で社会福祉士を目指す大学生たちと合同で、両国で注目される依存症やヤングケアラーの問題について研究報告会を行い、意見交換とディスカッションをします。交流や対話を通して相互理解を深め、多様性を尊重する視点と異文化理解力を身に付けます。