社会学科の特色
Point 01少人数クラスを軸とした体系的社会学の学び
社会学を体系的に学べるカリキュラムを整えています(「社会学科基礎・演習科目」)。1、2年次には「アカデミックリテラシー」「社会学基礎演習」「コース演習」等の少人数双方向型演習と「社会学の理論」 等の講義で基礎を身につけ、3、4年次には「演習1・2」として自分の関心に沿ったゼミを選び、専門的な学びを深めます。
Point 02フィールドワーク主義~調査の技と心を磨く
社会学の醍醐味は、現実社会と向き合い、アンケートやインタビュー、 観察や資料分析を通して社会をより深く理解できるようになること。 そのための専門的な社会調査の方法と倫理を、1年次から順を追って学べます(「社会調査関連科目」)。所定の科目を履修すると社会調査協会認定の「 社会調査士」資格を取得できます。
Point 03コース制でそれぞれのテーマ探しをサポート

2 年次に所属コースを選び、関心の近い仲間と知識を深め、研究テー マを絞ります(「社会学科専門・講義科目」等)。自コース科目以外も 履修可能なので、関心の広がりに応じた柔軟な履修ができます。
Point 04メディア現場のプロが表現・実践法を指導
社会現象や社会問題を見る力を表現したり実践したりする方法は、研究や論文だけではありません。放送や出版、広告などの現場に携わ る外部講師から、講義や演習形式で、メディアに即して表現する力を学ぶことができます(「表現・実践関連科目」)。

Program Structure(領域・流れ)
1年次より少人数教育と社会調査関連科目で、社会学と社会調査の知識と方法を身につけます。2年次からは3つのコースから1つを選択して、関心のあるテーマを重点的に学習します。3、4 年次ではゼミを選択し、それぞれの関心にしたがって専門的に学びを深め、ゼミや社会調査実習で培っ た経験と実績をもとに卒業論文を完成させます。

主な演習(ゼミナール)のテーマ
- 石原俊ゼミ:広義の「日本」をめぐる歴史社会学
- 石原英樹ゼミ:後期近代の価値観とコミュニケーション
- 稲葉ゼミ:社会倫理学・公共哲学
- 岩永ゼミ:グローバリゼーションと多文化共生のまちづくり
- 大久保ゼミ:文化とテクノロジーの社会学/デジタル時代の文化社会学
- 加藤ゼミ:〈性〉をめぐる様々なテーマを社会学的に考える
- 鬼頭ゼミ:対人関係の社会心理学
- 坂口ゼミ:都市型コミュニティにおける生涯学習の可能性
- 佐藤ゼミ:メディア史から読む現代のしくみ
- 澤野ゼミ:悪とは何か?
- 柘植ゼミ:医療社会学/医療人類学
人が生きることと医療 ・ 科学技術 - 仲ゼミ:働くことの社会学
- 野沢ゼミ:多様化する家族と子どもの育ちを支えるネット ワーク・制度
- 藤川ゼミ:環境と地域社会
- 半澤ゼミ:文化、経済、地域、そしてそれらの関係性を考える
- 松波ゼミ:他者とのつながりを人類学的に考える
- 元森ゼミ:「子どものため」の言説・制度・実践の現在
科目紹介
社会調査実習
インタビューやアンケートなど多様な調査手法と調査内容から希望クラ スを選んで、調査の企画から報告書の作成までを体験を通じて学習します

メディアクリエイティブ演習
映像/新聞出版/広告/デジタルメ ディアの現場の実務家を講師に招き、 実践型の授業で、キャリア形成につながるメディア表現力を身につけます。

学科主任が考える 社会学科とSDGs
社会のしくみや問題を見える化し、確かな社会構想を提案する力を
社会学は近代化と工業化の進む19世紀に誕生しました。自由で平等なはずの個人がいかにして社会秩序をつくるのか、また、なぜ貧困や劣悪な都市環境が発生するのかを、実証的に探究する学問が社会学です。それは「Society 5.0」であろうとも変わりません。社会学科では、社会学の理論や社会調査の技法を学ぶことで、社会のしくみや問題を見える化する力を身につけ、確かな根拠に基づいて社会に貢献する力を養います。階層や不平等、教育、ジェンダー、環境、労働、技術、地域、戦争、暴力、消費、社会運動etc.etc.多様な領域の社会学に加え、社会福祉学科の講義の一部も履修することができます。
社会学科主任 元森 絵里子 教授
私の学び
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神奈川県 希望ケ丘高等学校出身 -
地域コミュニティの活性化に貢献したい
環境に関する社会問題に興味があったことと、この学科でなら、自分が目指すべき探究と出会えるのではと思い入学。学びを通じて、地域コミュニティや市民活動というテーマに巡り会うことができました。学科での学びは、教室に限りません。「社会調査実習」 という科目では、対象となる場所を訪れ、商品企画活動を体験し ました。自分たちで考え、行動し、知識を頭に詰め込むだけでなく、アウトプットすることの大切さと楽しさが体験できる科目が多々あります。これまでに、生涯学習や市民活動が、社会に良い影響を与えることを学びました。将来はこうした活動を支え、生 み出していく仕事に就き、地域コミュニティの活性化や豊かな生活を送れるような環境づくりに貢献したいと思います。
学科トピックス
社会学科の学びを通して自分らしい人生の物語を
社会学科のカリキュラム
確かな基礎を提供しつつ、一人ひとりの関心追究をサポートします

社会学の対象は「社会」。具体的なテーマは無限にあり、社会を見る力を多角的に学ぶことができます。でもうっかりすると、あれもこれもで強みがないなんてことも。そこで社会学科では、社会学と社会調査の確かな基礎を身につけると同時に、ゆるやかな コース制で一人ひとりの研究テーマを探究できるカリキュラムを整えています。まず自コース科目を集中的に履修して関心が絞れたら、希望のゼミを選び、コースの縛りを外れて自分で履修をカスタマイズしましょう。
社会学を学んだ先には
他者と自己を深く理解する力は、多様なキャリアにつながります

社会学科の学びで身につく社会のしくみと問題を見る力、いいかえれば、他者と自己を知り変革していく力は、あらゆる職業のあらゆる職種、あらゆる社会生活で役立ちます。不透明な現代社会では、キャリアを自ら構築することが要求されます。就職活動でも、大学時代に力を入れて学んだことをどう仕事に生かすのか、自分の言葉で語る必要があります。独自のテーマに関する知識と理解を深め、ゼミや調査実習、卒業論文に取り組むことで、自分だけの物語を紡ぎ出しましょう。
社会学部オリジナルサイト
入学試験制度一覧
人材養成上の目的・教育目標
社会学部社会学科は、社会学部の「人材養成上の目的・教育目標」に基づき、社会学科の「人材養成上の目的・教育目標」を次のとおり定める。
社会学は、さまざまな水準で他者を認知し理解することを目指す学問である。多様な仕方で存在する他者への関心をもち、理解し、ひいてはそこにあるさまざまな葛藤を発見・探求することが、社会的寛容性を高めることにつながる。
社会学科では、現代社会に伏在する多様な問題を発見・追究し、より望ましい社会のヴィジョンを構想し、かつそれに向けて意欲的に実践できる人材の育成を教育目標とする。いいかえれば、社会学科が目指す教育とは、学生が社会に対する好奇心をもち他者に気づくことから、そこにある社会の多様な葛藤を理解し、課題として追究し、それを自分なりに表現する力を身につけることである。
卒業の認定・学位授与に関する方針(ディプロマ・ポリシー)
社会学部社会学科は、社会学部の「卒業の認定・学位授与に関する方針」に基づき、社会学科の「人材養成上の目的・教育目標」に沿った人間を育成するため、所定の期間在学するとともに126単位を修得し、次の能力を身につけることを卒業認定と学位授与の要件とする。
- (社会学の基礎)
他者との出会いの場としての、あるいはそれ自体で「他者」であるところの「社会」について、そして、そこに起きる人と人との間の、それを支える人ならざるものと人との間の関係をめぐる、文化や生命、環境に関する諸問題について、実証的かつ論理的に理解し対処する一助となすべく、社会学という一専門科学の基本的考え方を身につけている。 - (論理的思考と実証的態度)
学部段階での教育においては、「社会学科」といえども、社会学のみならず人文社会科学一般、更には自然科学とも共通する、論理的・批判的な推論法と、現場での実態調査と統計的なデータ処理を中心とした、事実を踏まえた実証的な探究法の修得が本義である。ただし「社会学科」である以上、本学科生は哲学でも心理学でもなく、まずは「社会学」を通じて以上の批判的思考法・実証的探究法を身につけている。 - (社会学の本義)
そのうえでより積極的な意味で、哲学でも心理学でもなく、「社会学」を学ぶことの本義は、「人間が人間であること」の自明性よりはむしろ「人間とは何か」という常識、定義付け自体が「歴史的社会的な状況によって変わりうる」という非自明性、つまり「同じ人間とは思えない」異質な他者でもありうる存在としての人間について、思弁を通じてのみならず具体的な他者との出会いの場としての「社会」についての実証的探究を通して体得することにある。本学科では、特に社会調査につき、基礎的な方法論の習得から現場での調査の技法から分析技術まで、一貫したカリキュラムでの指導に注力している。本学科生は、文化や生命、環境に関する諸問題に取り組む社会学の学習を通じて、異質な他者、想像もつかない未来に対する開かれた感受性と、そうした非自明性を前に思考停止に陥らない強靭な思考力とを身につけている。 - (表現と実践)
感受と思考の成果は、現実の行為へと、あるいは実践へと移されなければ、それこそ「社会的」に意味をもたない。そして、言語を用いて明晰に何事かを表現し、他者に伝えることが期待される。何より、自ら言語を用いて語る能力のない者には、他者の語りを理解すること、さらには言葉にならない不明確な思いや行動の意味を理解することはできない。本学科生は、文化や生命、環境の諸観点から培ってきた社会学的思考を土台に、明晰な言葉で語り、書く力を身につけている。 - (調査リテラシー)
社会調査士資格を取得した者については、現代社会において社会調査を用いた研究もしくは実務にたずさわる職業人にふさわしい、社会調査に関する高度な専門的知識と技能を身につけている。 - (知識・理解)
日常生活の中で誰もがぶつかる素朴な疑問や不安を幅広い教養でじっくりと考え、時代に必要とされる、望ましい社会づくりに貢献できる人材育成力。 - (総合的な学習経験と創造的な思考力)
個人が日常生活で出会うプライベートな問題から、グローバルで構造的な問題までを社会現象として取り上げる課題発見力。困難な社会問題に対しては、正確で体系的な理論と方法を追求しつつ、どうすれば解決できるかを考えることができる問題解決力。
教育課程の編成および実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)
社会学部社会学科は、社会学部の「教育課程の編成および実施に関する方針」に基づき、社会学科の定める「人材養成上の目的・教育目標」および「卒業の認定・学位授与に関する方針」に沿って、次のとおり「教育課程の編成および実施に関する方針」を定める。
- 導入教育
1年次において、本学科新入生は、全員「アカデミックリテラシー」という少人数のゼミナール形式の授業を卒業必須科目として履修する。ここで、新入生は文献講読の基礎的な技法、口頭ならびに文書で他者に報告するプレゼンテーションの初歩などを学ぶ。また、「社会学基礎演習」という少人数科目では、社会学の基礎知識の習得と同時に、グループワークなどの基礎を学ぶ。 - コース制
2年次以降、本学科生は、自らの判断で選択した三つのコースにそれぞれ分属する。それは、A.さまざまなスケールで他者および自文化の理解を目指し、情報が産み出され伝達される過程を探求する「文化とメディアコース」。B.〈生命〉と〈アイデンティティ〉をキーワードに医療をはじめ高度な科学技術を基盤に成立した現代社会の本質を解き明かしてゆく「生命とアイデンティティコース」。C.きめ細やかな他者理解を通じて、新たな〈コミュニティ〉の創造につながる〈実践力〉を養う「環境とコミュニティコース」である。このコース選択に伴い、2年次では「コース演習」というゼミナール形式の必修科目を設け、3・4年次での専門演習、そして、卒業論文に備える。さらに、2年次からコースが設定した枠組みを手掛かりに、本格的に専門科目を履修していく。 - 演習・卒業論文
3年次に履修する「演習1」は、「アカデミックリテラシー」「コース演習」と異なり、卒業論文や将来の進路までをも見据えたうえで、より専門的な研鑽を積むため、学生が自ら指導教員を選択して個別指導を受ける、少人数でのゼミナール形式の授業である。専門書の精読や専門的な社会調査から考察の材料を収集し、ゼミの仲間と議論し、自分の考えを口頭発表やレポートとして表現していく。「演習1」の延長線上に4年次に履修する「演習2」を置く。卒業論文という大学生活の集大成に取り組み、作品として仕上げる。卒論の提出および執筆にあたっては、社会学部が作成している『社会学部学生のための卒業論文執筆の手引き』に記載されている、提出日、提出方法、論文の体裁等を厳守しなければならない。卒業論文の評価は、担当教員が、研究倫理、研究方法、研究の内容等を総合的に審査し、厳正に行う。優秀な卒業論文には、ゼミ選考委員による審査と教授会における承認を経て「社会学部長賞」が授与される。 - 社会調査士資格取得カリキュラム
本学科では社会調査士資格を取得可能である。1年次に「社会調査の基礎」「社会調査の技法」を学び、2年次に「社会統計学」「数量データ分析」「質的データ分析」「データ分析入門」から指定科目を履修し、調査の基礎を身につけ、3年次に「社会調査実習」「社会教育調査実習」を履修する。実習の各クラスは、毎年、質の高い報告書を作成している。これら社会調査関連科目の必要単位を満たすと「社会調査士」の資格申請ができ、卒業をもって学士号とともに取得できる。 - 多文化共生ファシリテーター/サポーター認証取得カリキュラム
本学科では多文化共生ファシリテーター/サポーター認証を取得可能である。多文化共生ファシリテーターとは、移民問題やこれに付随する人権問題に対しても鋭い洞察力をもち、外国につながる人たちを包摂した共生社会を生み出す担い手である。その認証を受けるためには、本学科が開講している「内なる国際化論A」「内なる国際化論B」などの指定科目より12単位以上を修得し、加えて「ボランティア実践指導」を取得することが必要である。また、多文化共生サポーターとは、所定の教室での学びを修めた学生に対して与えられる認証である。その認証を受けるためには、本学科が開講している「内なる国際化論A」「内なる国際化論B」などの指定科目より12単位以上を修得することが必要である。なお、この認証制度の指定科目は年度によって異なるので、内なる国際化プロジェクトのWEBサイトに記載されている開講科目に関する情報を必ず確認すること。
入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)
社会学部社会学科は、社会学部の「入学者の受入れに関する方針」に基づき、社会学科の定める「人材養成上の目的・教育目標」に照らして、社会学科の「卒業の認定・学位授与に関する方針」および「教育課程の編成および実施に関する方針」に沿って、次のとおり「入学者の受入れに関する方針」を定める。
本学科が目指す教育は、すでに見知った者であれ、まだ見知らぬ者であれ、「他者」への関心を育むことから始まる。先ず「他者」という問題がはらむ多様な葛藤に気づくことが必要である。次いで、直感的な気づきから深い理解への道を自己の課題として引き受ける姿勢が求められる。そして、発見し追求した事柄を今度は具体的な他者を前に、自分の言葉で表現する力を身につけてほしいと願っている。本学科は、大学生活を通じてそのような〈力〉を身につけ、社会に羽ばたきたいと願う学生を求めている。
- 求める人材像
- 社会学科における学びに取り組む上で、知識・技能、思考力・判断力・表現力等において、高等学校等で修得すべき基礎的な能力を身につけている。
- 本学の教育理念である“Do for Others(他者への貢献)”および社会学科の教育方針や教育目標に興味と関心を持ち、社会学の主体的な学びを通して共生社会の担い手となる意欲をもっている。
- 社会学科が求める学生の資質をいくつか挙げるならば、次のとおりであり、漠然と思い描く未来像の中に、これらの〈力〉を自分の資質として見出し、努力したいと感じられる人
- ・知的好奇心と探究心
- ・柔軟な思考と創造的アイディア
- ・経験を生かした構想力と表現力
- 入学者選抜の基本方針
上記「求める人材像」に掲げる基礎的な能力、意欲および資質をもっているか否かを評価する。 - 入学者選抜の種類と評価方法
入学者選抜の種類として、一般入学試験による「全学部日程」、「A日程」、「B日程」のほか、大学入学共通テストを用いた「大学入学共通テスト利用入学試験」がある。そのほか「自己推薦AO入学試験」、「指定校推薦入学試験」、「系列校特別推薦入学試験」などの特別入学試験がある。評価方法も試験の種類によって、筆記試験のほか小論文により論述表現力を重視するものや面接により資質と意欲をみるものなどがあり、これらの試験を通じて本学科で学び、社会で活躍する人材を選抜する。