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タイ料理でボランティア! かけがえない仲間と学ぶ日々

2022.02.10

タイとドイツで高校生活を送った鈴木さん。帰国後、実践的に法や異文化を学ぶ、グローバル法学科に入学しました。タイでの生活体験を生かし、タイのYMCAとの交流・支援により、現地の子どもたちをサポートするボランティアにも参加中です。オリジナリティを大切にする自分の成長に、同級生や先輩との学び合いが欠かせないと感じています。

鈴木 陸 法学部 グローバル法学科 2年海外で高校生活を送り、法学部グローバル法学科に入学。オール明治学院の学生・生徒がタイ北部、パヤオ地方の子どもたちを支援する「パヤオプロジェクト」に2年次から参加。3年次では「ワイン法」ゼミで学ぶことを楽しみにしている。日本のトレンドやニュースが貴重な3年間を経たせいか、趣味は情報収集。

海外生活で感じた国によるルールの違い

父の転勤で、中学3年の冬から高校1年をドイツで、高校2年と3年をタイで過ごしました。タイでは、テスト中の計算機として携帯電話の持ち込み、ビザ取得時や交通違反の際の賄賂といった無秩序な状態が見られました。ドイツでは「洗濯やシャワーは夜22時まで」「土日は洗濯物を室内干し」「窓は常にきれいに」など、日本では見られない細かいルールがアパート内で決められていましたが、環境や景色、近隣住民への配慮につながっているように思いました。

国や地域のルールを見れば、国民性が分かるのではないか…。自分の根幹を成す日本のルールに加え、外国のルールについてもアカデミックに学びたいと思うように。日本と外国の法律を同時に学べること、留学がカリキュラムに組まれていることから、「学びたいことを叶えられる」と考え、グローバル法学科に入学しました。

タイでの経験を生かして。ボランティア活動に参加

1年次の3月。何か大学で活動したいと思ってポートヘボンの「お知らせ」をチェックしていたとき見つけた「パヤオプロジェクト」。明治学院の中高大学生が、タイのYMCAとの交流・支援により、現地の子どもたちをサポートするプロジェクトです。タイ関連の活動はとても珍しく、力になれるのではと思い参加を決めました。

2021年5月のキックオフ後、活動開始。コロナ禍で渡航できない中、夏休みやクリスマスに子どもたちとオンラインイベントを行っています。タイの社会問題についての自主学習・発表会、講師を招いての講演会を行い、人身売買などのネガティブな面、タイの食文化や観光の魅力などポジティブな面を学生たちで共有。また、国際学部の重冨真一先生に依頼して「タイの現代史と農村社会」に関する講演会も開催し、学びを深めました。

タイ料理で支援! 「パヤオミールプロジェクト」

2021年11月に白金キャンパスで、2022年1月に横浜キャンパスで「パヤオミールプロジェクト」を行いました。1週間、学食やカフェテリアでタイ料理を提供し、売り上げの一部を現地に寄付し、援助を行う取り組みです。コロナウイルス感染拡大により、一時、企画断念の恐れもありましたが、実施決定の際はメンバーで大喜びしました。

プラートート サムロット(揚げ魚の甘辛ソースがけ)、マクアチェ―(ナスのマリネ)、パッタイ(タイ風焼きそば)、マッサマンカレーなど、明学生に好まれそうなメニューを考案。意見・情報交換、役割決めや企画書作成、メニューや展示物の制作など、8月上旬から始めました。メニュー広告を担当し、タイ国旗をモチーフにし、写真を盛り込むなど工夫しました。

メニュー広告を見て、多くの学生が立ち止まり、グローバル法学科の同級生もたくさん「食べたよ」と教えてくれました。料理は白金キャンパスでは各日50食販売しましたが、全日完売という成功を収め、メディアの取材も受けるなど、学内外でプロジェクトやタイの現状の認知度が上がったのではないかと思います。

自分の力+みんなの力=想像以上

このパヤオミールプロジェクトで痛感したのは、学生メンバーをはじめ、職員など多くの方々に支えられて企画が成り立っていること。メニュー広告をデザインする際にも、ほかの人のアドバイスで初めて気づいたり、修正によりさらに良くなったりしたことがありました。

このプロジェクトに限らず、何かを共同で制作する際、時間に余裕があれば、自分だけで作った方が早いし、失敗しても自分の責任だと納得できるし…と思うことがあるのですが、今回、人の力が加わることで自分の制作物がパワーアップしたと思います。

また、制作物へのアドバイスに限らず、企画実現に向けて動いてくれた人、タイ料理を食べてくれた人、感想を伝えてくれた人…。多くの人に支えられてこの企画が成り立っていることを実感しました。当たり前なことかもしれませんが、この「当たり前」に気づけたことは私にとって大きな収穫でした。

今後は講演会や発表会を振り返り、活動を冊子にまとめる話が出ています。横浜キャンパスでタイ料理を食べてくれた1年生や、プロジェクトで知り合った明治学院系列校の高校生が大学に入学し、今度は大学生として一緒にミールプロジェクトを行うなどできたら、後輩にも活動がつながります。さらに多くの仲間と一緒に活動できる時を楽しみにしています。

タイのワイナリー? 「ワイン法」の授業で企画力を磨く

2年次秋学期に蛯原健介先生の「ワイン法」の授業を履修しました。授業ではワイナリーの方が特別講義をしてくださるなど、ほかの大学にはない貴重な機会があります。

授業の最終課題は、ワイン関連事業の企画制作でした。私が選んだのは「タイで開くワイナリー事業」。近年、これまでのワイン産出国以外で生産される「新緯度帯ワイン」が注目されています。暑いタイでも技術の進歩や、高地の寒暖差を利用してブドウ栽培が可能です。ワイナリーやワインを通じた地方創生をテーマとして選ぶ人はとても多いのですが、みんながするなら違うことをしたいと考え、自分ならではのテーマとして企画しました。

高い熱量を持つ仲間とともに学ぶ

3年次では、希望が叶い、「ワイン法」のゼミに所属する予定です。楽しみなのは、19人の仲間とともにゼミで学び、学生による企画を行うこと。「パヤオプロジェクト」では教職員の力を借りたので、今度は学生の力で進めてみたいと思っています。今年度の「ワイン法」のゼミの先輩たちは、高輪エリアでの JR 東日本などによるホップ栽培に協力し、オリジナルビールのラベルをデザインしたと聞き、興味を持ちました。ゼミの活動への高い熱量を持つメンバーと一緒に考えて、小さなことでもしっかり形に残していきたいと思っています。

何かに向かって進むとき、熱量が自分と同じ、もしくは自分より上回る人に出会えたら尊敬するし、お互いに意見を交換し合って、さらにいいものが作れることを期待します。そのため、何をするときでも、人との出会いはとても大切だなと思っています。

かけがえない、明学での友人との出会い

明学は第一志望ではありませんでしたが、今、入学してよかったと思っています。小中高の学校生活に満足しているのは、いい友人に会えたから。その経験があるので、明学だからこそできた友達、入学しなかったら出会えなかった友達がとても大切だと思っています。思い出ができるのは、出会い、さまざまなことを一緒にするから。グローバル法学科の友人と仲良くなれて幸せだし、感謝しています。そしてさらに多くの友人に出会いたいと思っています。日頃、友人や先輩を紹介する架け橋の役割を果たすことが多いのですが、友人が大切だという気持ちから、つないでいるのかもしれません。

グローバル法学科生は、全員が英語圏に約4~5カ月間留学します。自分たちの学年は3年次に出発予定で、留学先としてはアイルランドを考えています。学科の友人たちとともに素晴らしい体験をすることが今から楽しみです。

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