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学び

ヨーロッパ地域における反ユダヤ教主義を知る【ヨーロッパ地域研究 久保田浩教授(国際学部)】

皆さんがヨーロッパと聞いて思い浮かべるものは何でしょうか。美術や音楽が盛ん、街に風情があり歴史を感じるなど良い面が出てくると思います。一方で、他の地域と同じようにさまざまな課題、問題点が存在します。この授業では反ユダヤ主義をめぐるテーマを取り上げ、ヨーロッパ社会の課題、問題点、さらには多様性と可能性について理解を深めていきます。

私が特に印象に残っているのは、「音楽におけるユダヤ性」というトピックです。歴史に名を刻む有名な作曲家ワーグナーは反ユダヤ主義を唱えていた人物の1人です。彼はユダヤ人を人類の敵とみなし、悪魔だという思想を持っていました。また、ユダヤ人は母国語を持たない故郷喪失者であり、長い歴史をかけて築き上げられたヨーロッパ文化には真に精通することが不可能だと考えていました。このようなトピックに対して議論を進め、小論文を書きます。私自身、幼少期から音楽を学んでいたため、作曲家の新たな一面を知る良い機会となりました。

日本から遠く離れた地域、ヨーロッパの課題、問題は自分とは程遠く感じるかもしれません。しかし、グローバル化や国際化が進む今、国際人として活躍していくために、これらの教養は必要不可欠です。この授業を通してあなたもヨーロッパの奥深い世界の裏側を見てみませんか?

学生広報委員
関本詩音(国際3年)

※2022年度の授業情報です。

難しいトピックも資料を基に丁寧に学んでいきます。

 

白金通信2023年夏号(No.515)掲載

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