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座談会:地方出身者が語り合う、明学の魅力

2022.09.15

地方から上京して明治学院大学に通う学生たちは、どんなキャンパスライフを過ごしているのでしょうか? 今回は、2018年度から始まった長野県小諸市の自治体推薦入学試験を経て、法学部政治学科に入学した卒業生と在学生4名が、オンラインも交えて集結。自治体推薦で明学に入学した理由、コロナ禍での上京、学生生活における不安や喜び、ボランティア活動や政治学科での学びなどを、ありのままに語り合いました(収録は2022年6月)。

Yuki Nakajima 中嶋 悠貴 2022年 法学部 政治学科卒業

「自治体推薦入試の1期生です。卒業後はUターンして就職しました」

Yuna Takano 鷹野 由奈 法学部 政治学科 4年

「地元で暮らしながら、明学ライフを送っています」

Misaki Noguchi 野口 美咲 法学部 政治学科 2年

「オンライン授業のひと工夫で、友だちがたくさんできました」

Soichiro Miyauchi 宮内 綜一郎 法学部 政治学科 1年

「明学の“Do for Others(他者への貢献)”が志望の決め手です」

明学は「都会的な私学」。でも人は気さくでのどかな環境も

――まずは皆さん、自己紹介からお願いします。

中嶋悠貴さん

(以下、中嶋)今年の春に明学を卒業して、小諸にUターンし、地元に就職しました。明学と小諸市が連携する自治体推薦入試制度で、法学部政治学科に入学した1期生です。

鷹野由奈さん

(以下、鷹野)私は2期生で、現在4年生です。コロナ禍で授業がオンラインになったのをきっかけに、2年生の春から小諸に戻り、対面授業がある時だけ白金キャンパスに通っています。

野口美咲さん

(以下、野口)私は4期生で、この春2年生になりました。横浜市内で一人暮らし中です。

宮内綜一郎さん

(以下、宮内)僕は1年生で、5期生です。今日、顔を合わせて初めて知ったのですが、野口さんとは小学校から大学までずっと同窓だったみたいです。

野口

しかもお互いの妹が同級生。世間は狭いですね。

――皆さんの地元・長野県小諸市と明学とのつながりは、明治学院第1期卒業生の作家・島崎藤村が小諸義塾で教えていたことがきっかけです。島崎藤村にはどんな印象がありますか?

鷹野

小学生の頃、学校行事で藤村記念館に行った記憶があります。代表作の『破戒』を書いたのは小諸時代ということもあり、地元では有名です。

野口

中学時代に一冊読んでみようと、『桜の実の熟する時』に挑戦しました。でも漢字が難しくて挫折(笑)。明学時代を描いた作品でもあるので、いずれ再挑戦したいです。

――高校時代に思い描いていた、明学へのイメージは?

中嶋

キャンパスが白金と横浜。しかもミッションスクールなので、「都会的な私学」という印象でした。地方の高校生だった僕には正直、近づきがたいなって。

野口

同感です。「女子は全員お嬢様、男子はパリピに違いない。私とは口をきいてくれないんじゃないか」って(笑)。でも全然違いました。一見オシャレな人も話してみれば気さくだし、地方出身者もたくさんいます。それに1・2年生が通う横浜キャンパスは、キャンパス内でリスを見かけるほどのどかなムードです。

宮内

僕は小学生の時、明学で行われたクリスマスツリー点灯式で合唱をする友だちの付き添いで、白金キャンパスに来たことがあったんです。チャペルやインブリー館を見て、子ども心に「ここだけ外国みたい」とワクワクしました。

野口

実は私も、小学生の時に点灯式で合唱しました! 『平和の鐘』を唄ったことと、パイプオルガンに感動したことを、今でも覚えています。

宮内

そうだったんですか? でも当時は、まさかここで自分が学ぶことになるとは思っていませんでしたよね。

自治体推薦入試がきっかけで、地元が好きに

――自治体推薦入学試験に出願した理由を教えてください。

中嶋

高校3年の秋に、担任の先生から「明学と小諸市が提携した推薦入学制度が始まるよ」と教えてもらったのがきっかけです。当時は別の大学を志望していましたが、明学について調べるうちに「いいな」と感じるようになりました。特にボランティア活動が盛んなところに惹かれました。

鷹野

私も高校の担任の先生に勧められました。有権者になった時、政治の知識がないのはよくないと思っていたので、政治学科に入学するのもアリだなって。「English Clinic」(英語の個別学習支援プログラム)があることも、明学に注目した理由です。在学中に英語圏に留学したかったので。

宮内

実際に受けたんですか?

鷹野

はい。コロナ禍で留学はあきらめざるをえなかったんですが、ネイティブの先生にマンツーマンで指導してもらえたことは、とても勉強になりました。

野口

私は国家公務員を目指して高卒者対象の採用試験を受けたものの、落ちてしまって。目標を切り替え、大学進学を考え始めた時、進路指導の先生が勧めてくれて出願しました。小学生時代に訪れていて、縁があったことも志望した理由のひとつです。

宮内

幼い頃から「人の役に立つ仕事をしたい」と思っていて、高校に入ってから「将来は小諸市の職員になって、地域のために働こう」と、具体的に考えるようになりました。高校3年の時、いろいろな大学を調べていたところ、明学が“Do for Others(他者への貢献)”を教育理念にしていると知り、「ここだ!」と思いました。その後、自治体推薦入試制度の存在を知って、チャンスを逃すまいと出願しました。

中嶋

なるほど。それは受けない手はないね。

――選抜はどのように行われたのですか?

宮内

自己推薦文の提出と面接です。自己推薦文のテーマは「明学を通し、将来、何をしたいか」。“Do for Others”を掲げる明学で学び、それを生かして故郷のために働く公務員になりたいと、飾らない気持ちを書きました。ただ長い文章を書いた経験がなくて、担任の先生から何度も添削を受けました。また、先生方に協力してもらい面接の練習もしました。「あわてず、答えを組み立ててからアウトプットする」ことを心がけ、練習を繰り返した結果、本番は落ち着いて答えられました。

中嶋

僕も自己推薦文の提出と面接でした。担任の先生が自己推薦文の書き方を指導してくれたのも同じ。AO入試に挑戦する同級生と励まし合って書きあげました。

鷹野

面接の相手は小諸市長さんでしたよね。高校生が市長と1対1で話すなんて緊張しそうですが、やさしく質問してくれたので安心して話せました。

――自治体推薦入試制度があって、よかったですか?

野口

ありがたい制度でした。進路が明確で、自己PRや文章を書くことが得意な人にはもってこいの制度だと思います。「文章を書くのは苦手」という人も、書く力は訓練を積めば確実に伸びます。普段から手紙や日記を書く習慣をもつだけでも違うと思います。

中嶋

明学で学べたことはもちろん、小諸に関して詳しくなったのも、自治体推薦入試制度のおかげです。以前は「たまたま生まれ育った場所」としか思っていませんでしたが、小諸市の成り立ちや、明学と島崎藤村との関わりなどを調べたことで愛着がわき、小諸が好きになりました。島崎藤村の小説を読む機会にも恵まれ、それまで縁遠かった明治時代の文学作品が身近になったのもよかったことのひとつです。

コロナ禍でも、工夫をすれば仲間はできる

――親元を離れて上京することに不安はありましたか?

中嶋

とても不安でした。飢え死にするんじゃないかって(笑)。でも実際に一人暮らしを始めたら料理にハマって、今ではパンも粉から手作りするほどです。掃除、洗濯、ゴミ出しも、やってみればなんてことありません。

鷹野

私は入学と同時に、横浜キャンパスの近くの女子寮に入って、約1年、寮生活をしました。人見知りなので、ほかの学生のようにラウンジに入り浸ることはなかったですが、仲間がひとつ屋根の下にいるのは安心でした。

野口

一人暮らしが寂しいなら、寮に入るのも選択肢になりますね。

――コロナ禍の学生生活。大変なことは?

野口

入学と同時に一人暮らしを始めたものの、コロナ禍で対面の授業はほぼなく、バイトにも行けない。上京直後は毎晩実家に電話し、「帰りたい」と泣いていました。でも「このままじゃダメだ。友だちをつくろう」と、気持ちを切り替えました。趣味が同じ人ならきっと仲良くなれると思って、壁に好きなアイドルのポスターを貼り、グッズのTシャツを着るなど、「匂わせ作戦」でオンライン授業に臨んだら、同じ趣味の友だちが瞬く間に増えました(笑)。

中嶋

アイドルの力はすごい!

宮内

僕も最初は友だちができるか不安でした。でもフレッシャーズキャンプ(20年以上続く政治学科の伝統イベント。有志の上級生が主体となり、毎年さまざまな企画を用意して新1年生の入学を祝う)に参加したことで、スムーズに大学生活をスタートできました。

鷹野

今年はどんな内容でしたか?

宮内

履修科目や先生方の紹介、キャンパス内の施設の説明、基礎ゼミ(1年次の必修科目で、少人数クラスで実施される)の仲間同士の自己紹介、最後に国会議員の河野太郎さんの講演会という流れでした。講演会では河野さんに質問するコーナーがあったので、質問内容をゼミ内で相談するうち、仲間と自然に会話できるようになりました。また、大学図書館の充実ぶりがわかったのも収穫でした。おかげで、図書館で勉強する習慣も身につきました。

中嶋

フレッシャーズキャンプは入学式前の3月末に実施されるので、出席を億劫に思いがちですが、新入生にはぜひ参加するように勧めたいですね。

政治学科独自の「基礎ゼミ」「フィールドワーク」で、学びのスキルが身につく

――大学の授業について。高校との違いや、よかったと思うことはありますか?

中嶋

決まった時間割がある高校までとは違い、大学では特定の必修科目以外、多くの授業が選択制です。なので学ぶ側に主体性が求められることが一番の違いですね。レポート作成のために、「本で調べる」「調査をする」といったことが必要になるのも、大学の授業の特徴です。今でも強く印象に残っているのがフィールドワーク(教員による個別指導。自分でテーマを決め、フィールドで調査)の授業。長野県の子育て支援策についてまとめようと、Webサイトや新聞記事で子育て支援が進んだ自治体をピックアップして、質問項目をつくって送り、対面やメールで担当者にインタビューしました。

宮内

知らない人に連絡して話を聞くなんて、緊張しそうですね。

中嶋

最初はビクビク(笑)。失敗したらどうしようって。でも一度体験すると心理的なハードルが下がりましたよ。自分から動いたことで、満足いく調査結果も得られました。

鷹野

私も、ひとつのテーマについてとことん調べ、自分なりの解決法を考え、論文の形にまとめる力は、大学時代で伸ばせたと思います。

宮内

まだ1年生なので、先生の話を聞く講義形式の授業が大半ですが、例外は基礎ゼミで、すごく勉強になります。

中嶋

どんな点が特に勉強になる?

宮内

プレゼンテーションですね。一冊の本を読んで内容を要約したり、疑問や課題点を見つけて自分なりの解決策を仲間に対して発表したり。とにかく頭を使うので疲れますが、身につくものは大きいと感じます。

鷹野

基礎ゼミは、3・4年生で履修する卒業論文作成のための「ゼミ」の、文字通り基礎となるもの。1年生全員が履修する、政治学科の特徴的な科目のひとつです。プレゼンや論文執筆に必要な、信頼できる情報の集め方、文献の引用方法、発表や文章の構成方法などを早いうちから学べるのはいいですよね。

野口

私は、知らなかったことを学ぶだけではなくて、授業で得た知識を糸口に興味・関心を掘り下げられることが、大学での学びの醍醐味だと感じます。金融政策論という授業では、ノーベル賞受賞者のムハマド・ユヌス氏が創設したグラミン銀行のことを教わり、ユヌス氏が考案した貧困者向けの画期的な貸付制度について学びました。授業後、さらに自分で調べたら、日本にも「グラミン日本」があることがわかって、しかも授業を担当する菅正広先生(法学部法律学科教授)が創設者だと判明。鳥肌が立つほど感動しました。

「気づき」が得られる充実したボランティア活動支援

――サークルなどの課外活動はどうですか?

野口

私は学外のインカレサークル(インターカレッジサークルの略。複数の大学による合同サークルのこと)に入っています。300人規模のサークルで、さまざまな大学の学生と友人になれるのがメリットです。他大学の学生がどんなことに興味をもち、何を学んでいるのかを知ることができて楽しいです。

宮内

僕は学内と学外で、それぞれバスケットボールサークルに入っています。学内サークルは活動日が月2日だけだったので、もっと体を動かしたくて学外サークルにも参加させてもらいました。

中嶋

学外のサークルって、どんな感じなの?

宮内

メンバーは社会人が中心ですね。バスケはプレーヤー同士のコミュニケーションが重要なスポーツ。自分から心を開くことで距離が縮まり、プレー自体も楽しくなったし、年上の人とも気兼ねなく話せるようになりました。

――ボランティア活動には参加していますか?

中嶋

“Do for Others”を実践するため、ボランティア活動に力を入れているのも明学の大きな特徴です。所定のボランティアを実践すると単位を取れたり、ボランティアや社会貢献を気軽に行えるプログラムが用意されていたり、ボランティア活動を企画したい学生の相談に乗ってくれたりするんです。学内には、学生のボランティア活動を支援する「ボランティアセンター」があって、専門のコーディネーターがさまざまなアドバイスをしてくれます。またボランティア系サークルも多く、部員以外の学生が活動に参加できるケースもあります。僕自身、子どもの勉強を見たり、遊んだりするサークルの活動に飛び入りで参加させてもらいました。

鷹野

私はボランティアや社会貢献を1日単位で行える「1 Day for Others」(通称:ワンデイ)に参加しましたが、毎回、気づきがありました。印象深かったのは動物園でのボランティア。オランウータンの世話を体験して、さらにオランウータンの生息地の現状も学べました。キャンパスを飛び出し、実際に行動したことで、「環境を守ろう」という意識がより強まったと感じます。

――最後に、受験を控えた高校生へのメッセージを!

宮内

受験は大変かもしれませんが、将来、後悔しないよう、全力投球で頑張ってください!

野口

まずは「将来、自分が何をしたいか」という目標を決めましょう。目標が決まると進みたい大学や学部・学科が明確になり、勉強へのモチベーションがより高まるはずです。

鷹野

大学は専門分野を存分に学べる場。好きなことを学ぶのは、本当に楽しいですよ。受験勉強に疲れたら、「この苦労の先に、好きなことを存分に学べる4年間が待っている」と考えて、乗り切ってください!

中嶋

人から与えられたテーマではなく、自分で選んだテーマを学ぶのは新鮮です。僕自身、明学入学後のほうが勉強に喜びを感じるようになりました。政治学やボランティアに興味がある小諸在住の高校生は、明学の自治体推薦入試について、ぜひ検討してみてください。

野口・宮内

キャンパスで待ってまーす!

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